「うちの子は集中力がなくて……」
保護者の方から、よくいただくご相談のひとつです。
机には向かっているのに、すぐ鉛筆が止まる。
少しすると別のことを始める。
何度言っても勉強が続かない。
そんな姿を見ると、
「もっと集中して」
「ちゃんと最後までやりなさい」
と言いたくなるかもしれません。
今回、PRESIDENT Onlineの連載「家庭教師は見た!プロの視点」で、小学生の集中力と、家庭学習での関わり方についてお話ししました。記事でも触れていますが、1年生で3分も集中が続かない子は珍しくなく、3年生でも10分程度が限界という子は少なくありません。 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
ですから、まず知っておいていただきたいのは、
小学生に、大人と同じような集中の仕方を求めないこと
です。
学校の45分授業を思い浮かべてみてください。
国語なら、音読をしたり、先生の話を聞いたり、板書を書いたり、話し合ったりと、同じ作業だけを45分続けるわけではありません。
家庭学習でも同じです。
漢字をただ何度も書かせるより、
読む
声に出す
書く
考える
と作業を少しずつ変えるほうが、集中は続きやすくなります。
特に小学生には、声に出す、手を動かすといった身体感覚を伴う学習が大切です。集中しやすくなるだけでなく、知識の定着にもつながります。 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
計算練習でも工夫できます。
10問全部を書き写してから一気に解くのではなく、
1問書く
↓
1問解く
↓
また1問書く
と繰り返していく。
慣れてきたら、「なるべく少ない回数で問題を見て書いてみよう」と声をかけることもできます。
このやり方は、単に飽きにくくするだけではありません。数字をある程度のまとまりで覚えておく、ワーキングメモリーを使う練習にもなります。 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
そして、今回の記事でもう一つお伝えしたかったのが、
「集中できない=落ち着きがない」とは限らない
ということです。
高学年になると、好きな教科なら長時間取り組めるのに、苦手な教科になるとすぐに手が止まる子がいます。
その背景には、単なる好き嫌いだけでなく、
問題の意味が分からない。
何をすればいいのか分からない。
という状態が隠れていることがあります。 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
例えば算数の文章題なら、まず問題文を音読してみる。
それでも分からなければ、
「今、分かっていることは何?」
「この問題は何を聞いているの?」
「あと何が分かれば解けそう?」
と問いかけながら、書かれていることを整理してみます。
必要なら、図や表にしてみる。
すると、それまで「難しそう」と思って止まっていた子が、自分で「あ、分かった」と気づくことがあります。 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
ここで親がすぐに、
「これはこうやって解くの」
と答えを教えてしまうのは、できれば避けたいところです。
集中力が途切れているように見えても、実際には理解できないために思考が止まっていることがあるからです。
大切なのは、
集中させることよりも、集中できる状態をつくってあげること。
そのために、作業を変える。
身体を使う。
分からないことを整理する。
自分で気づけるように問いかける。
そんな工夫をしてみてください。
今回の記事では、低学年から高学年まで、年齢に応じた集中力の捉え方と家庭でできる具体的な工夫について詳しくお話ししています。
▼PRESIDENT Onlineの記事はこちら
「小1で『3分集中できない子』は珍しくない…プロが見抜いた『すぐに鉛筆が止まる子』の頭の中で起きていること」