9月〜10月にかけて「日経DUAL」のサイト上で、「花まる学習会」の高濱正伸さんと対談をしました。
高濱さんとは若い頃に同じところで教えていたことがあり、昔からよく知っているのですが、今回あらためてじっくり対談することで、さまざまな気づきがありました。
対談では受験のことだけでなく、親子関係や子どもの勉強における親の役割など、さまざまな話題がどんどん出てきて、とても楽しい時間でした。
対談の中でもお話ししたのですが、近年の中学受験の勉強は質も量も高度になりすぎて、否応なしに親が関わらなければならない面があります。
そこでお母さん(近年はお父さんも受験勉強に関わるケースが増えましたね)が「全部やらせなくちゃ」とがんばってしまう。
このことで、どうしても「ダメ出し」が多くなり、お子さんのモチベーションが下がってしまう、という問題がおこってきます。
こんなことを言っている私も、過去に自分の娘に勉強を教えたときにはイライラし、泣かせてしまったことすらあります。
毎週の塾の宿題に加えて毎月テストがあって、その結果を常に突きつけられる。
親も大変な思いをするのが近年の中学受験ですが、経験的に「お母さんがおおらかな家庭の受験はうまくいく」と感じています。
「おおらかでいてください」と言われても難しいところですが、やはりお子さんにとってお母さんは「世界のほぼ全て」くらいに大きな存在ですから、お母さんがニコニコしているかイライラしているかで、お子さんの気持ちは大きく変わります。
ときには私たちの対談なども参照いただき、あまり根を詰めすぎず、ゆったりとがんばっていきましょう。
11月27日、再度「高濱ゼミ」で再度高濱正伸氏とは対談できることもあり、そちらも楽しみにしています。
よければ視聴してみてください。
オンラインセミナー
「中学受験 合格する家庭の学習環境の整え方」
本日は日経DUAL主催のオンラインセミナーの講師として登壇させていただきました。
テーマは「入試まで110日 過去問を使いこなす家庭学習のコツ」。
事前に参加者の皆さんから、過去問についての疑問や質問をお受けしたのですが、驚いたのは過去問のやり方についてとても多くのご家庭が困っていることです。
「いつからやればいいの?」
「何年分やればいいの?」
「直しはきちんとやったほうがいい?」
といったことから始まり、第一志望校はどうする?「前受け校」の過去問もやる?などなど、一定の「指針」を示してほしい、というご要望が多いようです。
日経DUALセミナー中のひとコマ
これについては私の私見をセミナーの中でお伝えしました。
ここで「私見」と申し上げたのは、過去問のやり方に絶対的な「正解」はないからです。
お子さんの現状と志望校とのギャップ、どのような目的で過去問を演習するのかによって、やり方は変わってきます。
セミナーでは、麻布中を第一志望校とするお子さんの過去問演習の一例として「芝中学校→海城中学校→麻布中学校」という演習順を紹介しました。
「絶対的な正解はない」と言いましたが、一般的な取り組み方として「おすすめ」のものはあります。
麻布中(だけではないですが)を第一志望校としているお子さんが、今麻布中の問題を解いて合格点をとれる子はまれです。
だから、まずは「思考力型」の問題を出題する学校の中では解きやすい芝中の問題から始め、海城中にステップアップ。
そうやって過去問演習を続けていくうちに、得点力も上がっていきます。
その後で、いよいよ本命の麻布中の過去問、そんなイメージです。
もちろん目的は「合格」ですから、まずは目指すは「合格最低点」です。
私は、生徒が今(10月)の時点で合格最低点に近い(目安としては8割り程度)とれていたら「合格の可能性はかなり高いぞ!」と励ますことにしていますし、実際そのとおりなのです。
とはいえ入試では、誰しも必ず緊張します。
ご家庭でリラックスした状態では解けた問題が、本番では解けなかったということも起こります。
ですから、できれば最終的には「合格者平均点」を目指したいですね。
過去問に関しては、もちろん私が主宰する「名門指導会」でも使い方を指導していますし、主任相談員を務めさせている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でも発信していますので、ぜひ活用いただければと思います。
とにかく6年生のこれからは、つけなければならないのは「得点力」です。
過去問演習を中心に、より志望校の出題傾向に慣れることを目指してがんばってください。