お困りの方は夏期講習が始まるまでに解決を

令和2年の夏休み、そして夏期講習を前に「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と私が主宰するプロ家庭教師集団「名門指導会」共催で、オンラインでの個別相談会を続けています。

非常に多くの方がご参加くださっているのですが、やはり大きいのはこの夏、短縮された夏休みと、それと不釣り合いなくらいに負担が大きそうな夏期講習。

私たち「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の主任相談員、そして名門指導会の現役プロ講師が直接お話を聞き、事前にお預かりした成績やテストの資料を読み込んでからの相談ですから、かなり深いところまで話が及びます。

問題と感じていることを解決するには、いくつか方法があります。

ご家庭だけでできることもあれば、誰かに手伝ってもらったほうが良いこともあります。

たとえば今年の夏期講習、宿題が「まわらない」のは目に見えています。

学校が長期の休みであることを前提に組まれている夏期講習の内容を、2週間程度に短縮された夏休みに開催しようとすれば、無理が出るのは当たり前ですね。

その無理はどこに出るか。

それは、お子さんの家庭学習です。

回らない宿題を、なんとか「期日」までに仕上げようとすれば、やり方が「雑」になるか睡眠時間がなくなるか、その両方かもしれません。

この夏は、いつも以上に「やるべきことの取捨選択」が重要になります。

そんなとき、やはりご家庭でできることには限度があります。

私達のようなプロがお手伝いすればすぐに解決することでも、ご家庭でやろうとすると難しいものです。

近年、中学受験をするなら塾通いが「当たり前」になりました。
しかし、塾に通わせていればそれで何も心配ないのかと言うと、決してそんなことはないというのもまた「当たり前」になりつつあります。

同じように塾に通っていても、成績が順調に上がるお子さんとそうでないお子さんがいるからです。

つまり塾というのは「既製品」であって、オーダーメイドではないということです。

では「既製品」である塾の授業を、まるでオーダーメイドのように受けるにはどうすればいいか。

それには、授業の受け方や宿題のしかたに「工夫」が必要になってきます。

この夏のスケジュールのように、工夫だけではなんともならないこともありますが、それでも少し工夫しただけで(前回お話しした「塾の授業で完全理解を目指す」というマインドセットなどもその1つです)、塾の授業の効果は変わってくるものです。

それでもどうしてもうまくいかない、あるいは家庭でできることに限界を感じて、アウトソーシングしたい、というご家庭のために、私達のような家庭教師や個別指導のサービスがあるのだろうと、特に今年は強く感じています。

ほとんどのお子さんにとって、夏休みよりも塾の夏期講習が先に始まる令和2年の夏。

はじめにお伝えした個別相談会の受付はすでに終了してしまっていますが、どうしても心配があるという方は、名門指導会のオンライン相談などをご検討いただくのがいいかもしれません。

https://www.meimon.jp/

夏に向け、動き始めましょう

6月11日・12日と2日間にわたってオンラインセミナーを行いました。
パソコンに向かって話すのにも慣れてきましたね。
11日は6年生、12日は4・5年生のお子さんの親御さんが対象だったのですが、2日間の話のうち共通する部分と違った部分がありました。
共通する部分というのは、今年の夏は例年の夏とは全く違うということ。
全国のほとんどの小学校で、夏休みが短縮になります。
都内では、夏休みが2週間〜3週間くらいの学校が多いのではないでしょうか。
そこで、塾はどうするのかと思って塾の夏期講習のカリキュラムを見て、びっくりするわけです。
たとえばサピックスのある教室の6年生の7月、8月の予定表を見ると、夏期講習の日程はほぼ昨年と同じ。
・・・例年なら「昨年と同じ」ことに驚かないのですが、夏休みが2週間程度しかない今年の夏期講習を、昨年と同じ日程でやるなんて。
どうするのかと時間を見ると、夕方から夜にかけて(16時〜21時)となっています。
朝から学校へ行き、夕方から午後9時まで夏期講習という日は、いつ宿題をするんだろう、と思います。
一方、日能研はどうかというと、こちらも6年生は昨年と同じような日程で行うために、やはり授業時間を午後〜夜にもってきています。
要は、例年通りのカリキュラム、授業時間数を確保することに全力を注いでいるわけです。
・・・よく考えてみると、新型コロナウィルスの感染拡大で休業要請が出されたときでさえ、塾のカリキュラムは止まらなかったんですから、夏期講習を今年だけ特別に調整する、ということは現実的に不可能なのでしょう。
であれば、受講する側で「自衛」するしかないですね。
そのためのセミナーだったわけです。
昼過ぎまで(?)学校、そして夕方から夏期講習、21時に終わって返ってきて次の日も・・・となると、宿題がまわらないのは目に見えているので、大胆に取捨選択することが必要です。
また学校の日程と塾の日程を照らし合わせ、どのあたりの日程が苦しそうか、あらかじめシミュレーションしておくことも有効です。
私が主催する家庭教師「名門指導会」では、各会員様について上記のお手伝いを全力でやっていますが、新たなご相談なども相次いでいます。
また私ができることとして、主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」との共催で、オンラインの相談会を行っています。
塾以外の第三者のアドバイスが必要な方は、ご利用いただければと思います。
ご家庭でもどんどん情報を集め、夏をシュミレーションしておいてください。
何度も書きますが、塾の夏期講習は例年通りのボリュームです。
何も準備しなければ、確実に忙殺されます。
入念に準備していきましょう。

オンラインセミナーでわかったこと

■ 受験研究社さんとのジョイント オンラインセミナーを行いました
3月14日(土)は、増進堂 受験研究社さんとのジョイントで、今回の休校期間中の勉強のしかたについてのオンラインセミナーを行いました。
顔を見せても差し支えないという方に関しては、ウェブカメラで顔を見ながらお話ししたのですが、とても新鮮な体験でした。
受験研究社のスタッフ、岡田さんが司会進行を担当くださり、参加者の皆さんからのご意見、ご質問が書き込まれたチャットを読んでくださったり、それに対する私たちの返答を文字にしてくださり、私たちも参加者の皆さんも、お互いストレスのない空間になりました。
■ 家庭だけで閉じていると、何が正しいかわからなくなる
このようにオープンな雰囲気のオンラインセミナーでは、参加者のみなさんが得られるものも大きいように感じます。
それは、家庭の中だけで考えていると、どうしても周りが見えなくなるからです。
たとえば「テレビの音や音楽がなっているところで勉強室しているのですが…」というお悩みがあったとして、それがとてもいけないことなのか、子どもにはよくあることなのか、我が子だけ見ているとわからなくなるのです。
上記の例では、多くのお父さん、お母さんは「よいことではない」と感じるようです。
集中できないのではないか、といった心配もあると思います。
では、自分の部屋で何の音もしない中で勉強するのが理想なのかといえば、そうでもありません。
学校でも塾でも、勉強しているときの周りの音というのは結構騒がしいものです。
お子さんにとっては、周りに人がいる気配がする中での勉強に慣れているのが普通なのです。
騒がしい中で勉強しているのがいけないのではなく、なぜテレビや音楽の音があっても平気なのか、あるいはなくてもいいのか、ないと困るのか、テレビや音楽以外の音ならどうなのか、といったことを考えたりお子さんに質問することで、いろんな事がわかってくると思います。
■ テキストと違う解き方、いいの?
また「テキストの模範解答どおりに解かないのですが、これっていいんでしょうか?」といった悩みもあります。
実際にはお子さんが問題を解いている様子を見るのがベストですが、一般論として模範解答どおりでない解き方は、おおいにOKです。
時間があれば、お父さん、お母さんが「それって、どうやって考えたの?お父さん(お母さん)に教えて。」と頼んで「家庭内ミニ授業」をお子さんにしてもらうといいですね。
お子さんも、あらためて問題の解き方を考える機会になりますし、もしも理解が不十分だったとしたら、説明しているときに気づくことができるはずです。
塾の先生でさえ、塾のテキストの模範解答と違った解き方をすることがありますから、お子さんが模範解答と違った解き方をしていたら慌てず、塾ではどう習ったのか、その解き方はお子さんはよく理解できているのか、といったことを聞いてあげるといいと思います。
長い休校期間、家庭学習を見直すいい機会になったでしょうか。
まだ今からでも遅くはありません。
これまでのお子さんの学習を見直し、より「がんばった分だけ結果が出る」勉強法に近づけてあげたいですね。

一斉休校 この一大事の乗り切り方は?

新型コロナウィルスの感染拡大により、3月2日から多くの小・中学校、高校は休校になります。

自治体や学校によって、学年や家庭の状況によっては受け入れを決めているようですが、急な決定ですからご家庭は大変だと思います。

もちろんお子さんの感染リスクを考えると安心ではあるのですが、ではどのように過ごさせようかと思い悩むお父さん、お母さんも多いでしょう。

お母さんが専業主婦のご家庭と共働きのご家庭、それぞれにお悩みはあると思います。

いずれにしても、夏休みに迫る長期間にわたってお子さんが学校に通学しない状況が、突然やってきてしまったわけです。
外に連れ出すのも最小限にしたいし、かといって一日中勉強させるわけにもいきません。

上手に時間を過ごさせてあげたいけど、「どうしよう」と途方に暮れるような気持ちにもなります。

■ お母さんが家にいる場合「関わりすぎ」に注意を

お母さんが専業主婦で家にいる場合、どうしてもお子さんに「関わりすぎ」になりがちです。

これがふだんの夏休みであれば、友達と遊びに行く日もあれば、そもそも受験生の夏休みは塾の夏期講習で忙しいですから、以外に親とべったり過ごす時間は短いのです。

しかし今回のような特殊な状況では、そうもいきません。

家にお母さん、そしてお子さんも一日中いるという日が結構あるような状況は、かなり特殊だといえます。

まず気をつけたいのは、ついつい関わりすぎになること。

多くの塾は一週間、二週間くらい休みになるようですから「ならば家庭学習でがんばらせないと」と思われるお母さんもいらっしゃるでしょう。

基礎の積み残しがあるお子さんも多いと思いますので、それはそれでいいことだとは思います。

でも「がんばらせすぎ」には注意してください。

あまり長時間親子がべったりと過ごすのは、お子さんにとってもお母さんにとっても負担が大きいものです。

たとえば一日の「時間割」を決め、学校で勉強しているはずの朝から昼過ぎの時間は自主学習、そしてその後の時間は親子で関わる時間、というように決めて過ごすのもいい考えです。

学校が春休みまで休校になる場合は、今の学年の残りはすべて学校で習えない可能性が高いわけですから、少なくとも教科書を最後まで読んでおくことも大切なことです。
(近年、中学受験の問題も「教科書前提」のものが増えています)

塾が休みになる期間、普段できていなかった基礎の振り返りなどもやっておきたいですが、塾のある生活より「かなり軽め」くらいを意識して取り組むのが無理がないと思います。

■ 共働きのご家庭は、お子さんとのコミュニケーションを工夫しましょう

共働きのご家庭は、この週末は戦々恐々としていることと思います。

ふだんは学校に任せておけた時間が、すべてご家庭にかかってくるわけですから、とても大変です。

朝、お父さんお母さんが家を出てから帰るまで、お子さんにどのように過ごさせるか。

塾によっては授業を昼の時間にするというところもあるようですが、多くは休校です。

親がいない間、やむを得ずお子さんだけで過ごす時間が長くなる場合は、やはりあらかじめ一日のスケジュールを親子で立てるのが有効だと思います。

その上で「完璧を求めない」ことも大切です。

ひとりでいる時間に「予定通り」に勉強できるか。

・・・冷静に考えると、できないですね。

でも、できない現実が「ふつう」くらいに考えましょう。

予定を一緒に立て、帰宅時に確認するとしても「完璧にできているはず」(あるいは「できているべき」)とは考えると、帰宅時に親も疲れ切ってしまいそうです。

そもそも子どもがひとりで勉強することは困難であることを前提に、昼休みや空き時間に電話やLINEなどのコミュニケーションツールで声をかける、そして帰宅後のチェックも「ダメ出し」ばかりにならないよう、親があらかじめ「腹をくくる」ことも必要ではないかと思います。

■ いずれにしても、緊急事態です

専業主婦のご家庭、共働きのご家庭いずれにとっても、これは緊急事態です。

これまでにない「試練」でもあります。

もちろん、勉強以外にもお子さんが学校で得ているものはたくさんあります。
友達にも会いたいでしょうし、楽しみな行事もあったでと思います。

そんなお子さんの気持ちのケアも気になるところですね。

そんなみなさんに少しでもお役立ていただけるよう、お子さんが家庭で勉強をスムーズに進めていけるヒントになるような動画を、急ぎ撮影したいと考え、主任相談員を務める「中学受験情報局」でご一緒している先生方と相談をしています。

数日中に撮影して急ぎ皆さんに見ていただけるよう、お届けします。

一大事ですが、ピンチをチャンスに変え乗り切っていきましょう。

灘中合格者のお母さんがしていた3つのこと

2月ももう中旬。

1月の関西、そして2月の東京、神奈川の入試も一段落し、私達はその振り返りに入っています。

先週、そして今週は、私が主宰する家庭教師「名門指導会」の生徒で灘中に合格したお子さんと、そのお母さんたちにインタビューするという機会がありました。

■ 子どもたちは勉強を楽しんでいる

追って記事の形でみなさんにも御覧いただけるようにしたいのですが、入試までの勉強法や乗り切った困難など、とても興味深い内容になるはずですが、何よりも私が知りたかったのは、彼らが中学受験の勉強をどう捉えたかということです。

詳細は追っての記事に譲るのですが、彼らは受験勉強をいろんな形で「楽しんで」いました。

今までできなかったことができるようになるとこや、目標に近づいているという実感があることは、単純に子どもたちに自信を与え、勇気づけます。

また過去問の演習を単なる「合格できそうかどうかをみるリトマス紙」ではなく「過去問からどんどん学ぶ」という姿勢があるのも共通点です。

■ お母さんたちがしていたのは「環境づくり」

お母さんに共通することがあるとすれば、まず1つめは「環境を整える」ということでしょうか。

塾の課題はたくさんあり、全部やろうとすると睡眠時間まで短くなってきます。
そして塾は、できるだけ受験の不安をなくすために、あらゆる種類の講座を用意します。

それぞれの講座の宿題も出るし、模試やイベント等もあります。

すべてを受講し完璧にこなすことはできません。

だから受講すべき講座、力を入れてこなすべきテキストや問題を取捨選択しなければならないのは、どの塾に行かせていても起こってくることです。

灘に関していえば、「最高レベル」といった、その塾でもっとも成績がいい子が集まる講座は、受講するように促されるでしょう。
ゴールデンウィークやお盆には模試、日曜は前期(2月)から日曜特訓が始まり、灘中を目指す子を対象としたイベントもたくさんあります。

親としてはどうしても「あれもこれも」という気持ちになってきます。
そして、みんなが受けている模試や講座を受けさせないというのは、とても勇気がいることなのです。

しかし、すべての講座やイベントをもれなく受けさせると、上記のように寝る時間がなくなってきます。

そこでお母さんたちがしている2つめのことは、子どもをよく観察することです。

■ 子どもをよく観察し、相談相手をつくること

やっていることは確実に身についているか。
やりっぱなしになっていることはないか。
体力的に無理が続いていないか。

考え始めたらきりがないと思いますが、それでも観察し、考えることは素早い改善につながります。

そのために3つ目として「相談相手がいる」のも大切なことです。
家庭教師である私たちは、この部分でお手伝いをさせていただいています。
お父さんや塾の先生が、こういった役割を担うケースも多いと思います。

なにか不安や問題を感じたときに、すぐに誰かに相談できる。
早く問題解決ができることはもちろん、お母さんの気持の安定という面でも重要なことです。

あらためてお話を聞いて感じるのは、受験生のお母さんの大変さです。

受験を終え「相談相手がいてよかった」と言っていただけるのは、家庭教師としてとても嬉しく、幸せなことだと感じています。

そんなインタビューの内容もふまえて、来月は関西で灘中合格セミナーを企画しています。
今のところ3月4日(水)の午前を予定しています、

関西で難関中合格を目指すご家庭のお父さん、お母さんは、よければご参加ください。