ここ1~2週間、小4小5の方からのご相談が急に増えてきました。

夏期講習後のテストの出来が思いのほか悪かったことが原因のようです。

 

「夏、あんなに頑張ったのに!」

成績がガンと下がるには、それなりの原因があります。その原因を今のうちに探し出してください。

これから習う単元は、これまで以上に大切ですから、ここで学習方法の見直しを真剣に考えていただきたいと思います。

 

これまでは良かったのに、どんどんと成績が下がっている。

 

このようなご相談が特に多いのがサピックスです。その理由は、どうやらテキスト構成にありそうです。

デイリーサポート算数は裏表に全く同じ問題が入っています。

そして、デイリーサピックスには、数字は違いますが、全く同じ文章の問題ばかりが入っています。

図形問題では、全く同じ図がにもかかわらず数字を変更したために長短が変になっているものすらあります。

 

宿題は、デイリーサポートの裏をやることとデイリーサピックスを解くことですから、ほとんど問題を読まずに済ませることができます。

問題を一瞥するだけでどんな問題かがわかり、その解き方も思い出せます。

授業で聞いた解き方をそのまま当てはめれば、後はオートマチックに答えが出てしまいます。

「これまでは良かった」のは、記憶力が優れている証拠ですから、楽々と宿題がこなせてしまうことになります。

 

ところが、マンスリーテストでは、大問2番の基礎問題ですらテキストの文章と違っています。

文章だけではなく条件も目立たないところで変えてあります。

テキストでやった問題と同じつもりで解いてしまって間違うか、違っていることには気がついたがどうしたら良いのかが

分からずに止まってしまうかになります。

 

これが、成績が下がっていく原因です。

これまでの成績が良かったのは、その子の記憶力が優れていることと、テストの問題がテキストとほとんど同じだったからです。

「条件を確認して、何が聞かれているかを理解し、正解にたどり着くための方法を考える」

これが、成績を上げていく大切な過程なのですが、それがすっぽりと抜け落ちている事になります。

 

「頑張って勉強をしているのに成績が下がってしまう」とご相談される方の多くは、

「2回の繰り返しだけでは足りないのでしょうか。塾では3回と言われています。」とおっしゃるのです。

 

機械的な繰り返しが原因で成績が下がっているのですから、同じ方法で繰り返しても効果はありません。

 

丸暗記学習から抜け出すために

 

・問題文をなぞるように読む習慣を身につけさせる

 どんな問題かが分かっていても読むようにさせてください。

 

・毎週の学習だけではなく、マンスリーテストに向けた4週分の復習を重視する。

 数週間前に習った問題ですから、記憶が薄れています。「条件を確認して、何が聞かれているかを理解し、

正解にたどり着くための方法を考える」この勉強のチャンスです。

 

・「繰り返して覚えなさい」は禁句です。

少なくとも算数では言わないでください。「何度も筋道をたどってごらん」はOKです。

 

「頑張っているのに成績が上がらない」のは、これまでの学習方法では限界に達してしまっている証拠なのです。

お子さんが丸暗記の算数学習になっていないかチェックしてあげてください。