今回は、困っている子供たちの気持ちつまりマインドに注目してみます。
成績が停滞している子供たちの多くは、学習すべき内容を整理してあげると
どんどんと成績を上げていきます。
ところが、それだけでは全く効果が無い子供が常に一定の割合で存在します。
それは、子供の気持ちでが原因です。そして子供の学習に向かう意欲を妨げるマインドの
原因を作っているのは、子供本人では無く周りであることが多いのです。
1 やらされ感一杯の嫌々学習
家に帰ってくれば、「早く勉強をしなさい!」。
学校の勉強が終わったと思ったら、「早く塾の勉強をしなさい!」。
塾の勉強をしていると、「いつまで計算をやっているの、そんなにだらだらやっていると、
文章題ができないでしょ。それに、社会や理科の暗記はどうするの。
それに、国語の宿題もあるでしょ!」
このようなお母さんの台詞が日常化することが、こどもの「やらされ感」を高めてしまいます。
これをやっても、その後あれもやらないといけないし、それが終わってもあれもやらないと、・・・・。
永久に終わらないような呆然とした気持ちになってしまいます。
・あれもこれも一度に話さない。今やるべきことを最大2つだけに絞って話す。
そして1つが終わったら、「頑張ったね。」と認めて労ってあげる。
2 親子喧嘩
お子さんのいい加減さを見つけたときに、ここぞとばかりに攻め立てていませんか。
「何この片付け方は!このプリンとはこっちに仕舞うように言ったでしょ。
この前もそうだったでしょ。
いつもいつもそうなんだから。
そんなことをやっているから、成績が上がらないんでしょ。
お母さんが見張っていないとちゃんとできないの!
この前もそうだったでしょ。
目を離したすきに、プリンとを引き出しに突っ込んだでしょ。
そんなずるい事をやってて良いと思っているの!・・・・・」
・叱ったりたしなめたりするときは短く、そして威厳を持って。
過去の話を持ち出して長々と説教を続けるのは最悪です。
30秒を越える説教の内容は聞いていません。
そして長くなればなるほど、内容よりもお母さんの苛立ちや怒りだけを感じとるようになります。
それがお母さんへの反抗心のもとになります。
また、お母さんの説教や激怒ですら、首をすくめて時間が経つのを待っていればよいことを
学習してしまいます。
そうなると、お母さんとしてはより強い言葉、より子供の気持ちにぐさりと突き刺さる言葉を
使わざるをえなくなってしまいます。
そのうちに、「うるさい!くそばばー!」という信じられない反撃を食らうことは、
珍しいことではありません。
3 こどもの自己肯定感をどんどん壊してしまう台詞
「なぜ、こんなのが分からないの!」
「この前もやったのに、もう忘れたの!なぜ、そんなに早く忘れるの!」
こんな台詞を使う塾の講師や家庭教師は、子供を教えるべきではないと思っています。
そんな簡単なことをなぜ納得させられなかったのか、
なぜそんなに早く忘れてしまうような理解しか与えることができなかったのか。
自己反省の材料にすべきことを、子供への責任転嫁をしているわけですから。
そして、親御さんもこのような言葉を使わないでほしいのです。
このような言葉を、ダブルバインドといいます。
「なぜ、こんなのがわからないのか」と聞かれて、
「あまりよく聞いていなかったから。」と言えば叱られて、
「頭がよくないから」と言えば、「言い訳ばかりをして」と叱られます。
どのような返答をしても、責められることがわかっている質問を、ダブルバインドの質問と言います。
このような質問を投げ掛けられた子供は、反抗心を沈殿させながら、鈍感の鎧を身に付けるしか、
なすすべがありません。
中学受験の過程で、家族のコミュニケーションが深まりお互いを信頼しあえるようになることが
最良です。
ところが、中学受験のために親子げんかが増え、関係がぎくしゃくしてしまっている例を
無数に見てきました。
親子関係が子供のマインドを決定してしています。和やかな明るい親子関係を心がけてください。