■この時期はとにかく過去問を解くことが大切
 
近頃の入試傾向として、ちょっと「ひとひねり」がある問題が増えています。たとえば直前期「問題集を一冊、入試までに終わらせよう!」は構わないのですが、これだけでは最後の一線を超えられません。使い回しのテキストではなく、最近の入試問題や、志望校と同じ傾向の類題を解くことで、「ひねり」に強くなることが求められます。
 
そういう意味でも、6年生はこの時期はとにかく過去問を解くことです。解くことで教科の実力を本番に向けて充実させるのはもちろんですが、ペース配分などの練習にもなります。塾でも指導されているとは思いますが、「テストの受け方の技術」の向上も大切な視点です。
 
たとえば、基本的なことなのですが意外にできていない子が多いのが「空白の解答欄を残さない」ということ。わからない問題でも、最終的に何か答を書くということは大切なことです。特に選択式回答の問題などで空欄を残すのはもっての外。空白の解答欄は得点になる可能性はゼロですが、何か書いておけば点に繋がる可能性が発生します。
 
最終的には「すべて埋める」のがテストの点につながる解答用紙に関する考え方です。
 
 
■合格につながる親の行動とは
 
首都圏では程なく「1月受験校」の入試が始まります。埼玉・千葉の学校などです。市川や栄東など人気校は、もちろん第一志望校として受験する子も多いですが、東京・神奈川の子どもも「お試し受験」的に受験することが多い学校です。
 
ここで注意していただきたいのですが、大切なのは「1月受験校に対するスタンス」をはっきりさせておくこと。「2月1日以降の入試に活かす」というのが、東京・神奈川の多くのご家庭のスタンスだと思います。
 
第一志望校に合格するためのステップとして1月受験校を捉えているなら、1月受験校の結果が合格でも不合格でも、2月1日以降の入試にプラスの結果を生み出すようにするのです。親としては「合格でも浮かれすぎず、不合格でも落ち込みすぎない」態度が大切です。
 
合格なら「よし、実力はついている。これで第一志望校の入試も大丈夫だ」とお子さんが考えて前向きに2月を迎えられればいいし、不合格なら「失敗したのが練習でよかった。今回の失敗を第一志望校の入試への教訓として参考にすれば、次はうまくいきそうだ」と思えればいいわけです。そういうふうに親は「もっていく」ことを心がければいいのです。
 
 
■不合格だったときのことも考えておく
 
縁起でもないと言われそうですが、実は「合格だったら」を考えるより「不合格だったら」を考えることが親には重要なのです。お子さんにはもちろん「合格のイメージ」をもって当日を迎えてもらいますが、「万一のとき」のことをシミュレートしておくのは親の役割です。
不合格を次の合格につなげる、という考え方を親が持っていないと、いざというとき「共倒れ」になってしまいます。入試シーズンに入ると、数日間はあっという間です。落ち込んでいても次の日また入試に出かける、そんなシチュエーションもあり得るわけです。そこをどう乗り切るかで、受験結果は大きく変わってきます。いざという時の役割分担を、塾の先生も含めて決めておきましょう。
親が「気持ちのタフさ」を要求されるのが中学受験。でも、それも後で振り返れば「親子で目一杯頑張った数日間」という懐かしい記憶になります。
しっかり歩んでいきましょう。