月: 2018年7月

夏のがんばりの結果が出るのはいつ?

■サピックスの夏期講習と8月マンスリーは関連が薄い?

夏期講習真っ只中です。特に6年生は忙しい毎日を過ごしていることと思います。

さて、以前「夏の目標は『得点力』をつけること」とお話ししましたが、一方で、夏のがんばりが「直ぐに結果となって出る」との期待を、あまり大きく持ちすぎないほうがよいということも覚えておいていただければと思います。

これまでお話ししてきたような「理想の夏の過ごし方」が完ぺきにできたのであれば、サピックスなら8月末のマンスリーで結果が出るはずじゃないか、という声が聞こえてきそうなのですが、特にサピックスの6年生の場合は夏期講習の内容と8月マンスリーの内容にあまり関連がないのです。(5年生は逆に、夏のがんばりの成果はマンスリーで確認できます)

だから、「夏がんばったのに結果が出なかった」と意気消沈するのではなく、冷静にテスト直しに取り組めばよいと思います。

■夏のがんばりはどこで結果になるか

では夏のがんばり(これまでお伝えしてきたように、正しくがんばった場合)はどこで結果になって出てくるのか。

これは9月以降の過去問演習においてです。
塾のテスト(サピックスのマンスリー・日能研の公開模試・四谷大塚の組分けテストや合不合判定テスト)はとても良くできたテストで、もちろん過去の入試問題を参考に、あるいはベースとして改題して作成されていますが、あくまでもいろんな学校の最大公約数的なもの。

お子さんがほんとうに解けるようにならなければならないのは、志望校の入試問題です。
特に難関校を受験しようと考えているなら、「問題集で習ったような問題がそのまま出ることはありえない」と何度かお伝えしてきたとおりです。

そういった意味では、もうすでに6年生はマンスリーやオープン、公開テストがターゲットではなく、学校別の模試ということになります。

この夏のがんばりが、志望校の問題を解くときに成果として出るよう、8月を過ごしてみてください。

自由研究は自己紹介!?

夏休みが始まりました。
夏休みといえば自由研究。例年相談も多いです。

■「とにかく集めてみよう」

さて、自由研究といえば、先日NHKのEテレで面白い番組を見ました。

「自由研究55」という番組です。

Eテレの番組は、我々教育に関わる大人たちの間でもよく話題になるのですが、私はEテレの「寸止め」感が好きなのです。
私がどういう意味で「寸止め」という言葉を使っているかというと、「答えまで子どもにすべて渡さず、子どもたちが試したり、考えたりできる余地を残して伝える」という意味です。

たとえば昨年放送された番組では、「自由研究何しよう?」というお子さんに向けて「とにかく集めてみよう」というメッセージを発信しています。

近所のポストの「集荷時間表」(ポストに貼っている時刻表)を写真に撮って集め、簡単な地図を書いてマッピングします。
すると、離れているのに同じ時刻に集荷するポストがあったりして、番組は「少なくともこのエリアを回っている集荷係の人は2人以上いるのかな」と推測しています。

そして「この2つのポストはすぐ近くだから、どちらも9時に集荷があるけど、同じ人が集めているのかな。待ち伏せしたらわかるかな。。。」と、ここで子どもたちにボールが渡されるのです。

子どもでなくても「よし、僕もやってみよう」と思わせるような展開。
知りたい、突き止めたい。
そんな感覚を味わわせてくれる内容、いろいろな意味で勉強になると思いました。

今年のものの再放送が8月6日(月)午後6:55 ~ 7:20に予定されているようなので、興味がある方は見てください。

■自由研究は自己紹介のようなもの!?

あなたが「自己紹介をしてください」と言われたら、自分についてどんなことを話すでしょうか。
自分を紹介する機会の多い、少ないは人によって違うと思うのですが、どんなことを話すかは、ある程度決まっているのではないでしょうか。

私なら、自分の名前、「塾ソムリエ」という肩書(?)について、受験指導に関わって40年になることや、この仕事を通して成し遂げたいことなどを話すと思います。
聞く方も、そのような情報を求めているのではないかと思うからです。

自由研究もこれに似ています。
上記のポストの件のような調査にしろ、調べ学習にしろ実験観察にしろ、何かレポートのような形で結果をまとめると思います。
その中に含めたい項目は、ある程度決まっています。

それは、
・このことを調べようと思ったきっかけ
・実際に実験や調査をする前に予測した結果
・実験や調査の具体的な方法、実行したこと
・結果・感想
といったことです。

あらかじめ「これだけの項目を書く」と決めていれば、あとは実行あるのみ。

ふだんから「?」と感じていることはあるでしょうか。
あるなら、調べてみてはどうでしょう。

予測して、調べて、結果を出す。
そんな過程で多くの発見、気付きがあると思います。

自由研究ですから、自由な発想で試してみましょう。

6年生は「得点力」をつける夏に

■6年生は「得点力」をつける夏に

いよいよ夏休みです。6年生は「受験の天王山」ですね。
特に6年生に意識してもらいたいのは「得点力」をつける夏(とそれ以降)にしてほしいということです。

新著「共働きだからできる中学受験必勝法!」でも述べているのですが、「学力」と「得点力」は違います。
これまで受験生のみなさんは、塾で学び、宿題演習やテストなどを通して学力をつけてきました。
ここから夏、そして秋〜冬へと、その知識や思考力を駆使して、実際に与えられた問題を解決する練習をしていくわけです。

「問題ならこれまでも解いてきたじゃないか」

そう思われるかもしれませんが、難関校の入試にになればなるほど、習ってきたことがそのままの形で出ることはありません。
複雑に組み合わされ、巧みな設定などによって隠された解決法を考え、推理し、工夫しなければ解決できない問題に対応できる力を身に着けていくのです。

たとえば一言で「算数の力」といっても、さまざまな要素があります。

問題文を正しく読み取る力・解法の知識・計算力・工夫する力・「なんとか解ききってやろう」と試行錯誤する力など…。
この夏、お子さんはどのような力をつけて志望校合格に近づきたいのか、今一度考えてみるのは大切なことですね。

■東京・渋谷で少人数の相談会を行います

「得点力」の要素にも様々なものがあることがわかりますが、大切なのはお子さんが今どんな力を持っていて、さらに得点力を上げるにはどんな力を付ければいいかを知ることです。

それにより、この夏以降どのように勉強を進めていけばいいかが変わってくるからです。

私は主宰する家庭教師「名門指導会」において、このような勉強プランを立てるお手伝いをすることが多いのですが、残念ながら夏が終わり、秋も深まった頃にご相談に来られ、「そんなことなら夏前にご相談くだされば・・・」という方も例年少なくありません。

そこで今年は、主任相談員を務めさせていただいている中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でご一緒している2人の先生にもご協力いただき、少人数の相談会を開催させていただくことにしました。

もちろん対象は小学6年生お子さんのお父さん、お母さんです。
この夏に第一志望校合格をぐんと引き寄せる学習計画を立てたいという方は、一度検討してみてもらえればと思います。

相談会の詳細はこちら
https://soudankaie-2.peatix.com

真夜中の訪問者

私の自宅は、東京都でも「田舎」と言われる地域です。

夏になると「虫」も増え、いろいろな事が起こります。
ハチなど危険な虫から、カブトムシなど「甲虫類」とよばれる子どもたちに人気の虫たちまでが、我が家を訪問するのです。

さて、いよいよ都内も暑くなってきた今夜、小さな訪問者がありました。
コガネムシの仲間です。

やや弱っているようですが、つかまえようとすると活発に逃げます。
そりゃ、虫にすれば「人間なんかに捕まったら殺される」といったところかもしれませんね。
手の上を這う小さな虫の感触、懐かしい思いがします。

外に放そうとバルコニーの手すりにつかまらせるのですが、光に引かれるのか、すぐに戻ってきてしまいます。

ずいぶん疲れているようなので、私はこの小さな訪問者をもてなすことにしました。

小皿に濃い砂糖水をつくり、それを脱脂綿に吸わせてコガネムシをとまらせます。
そうすると、それまで私の手から逃れようと必死にもがいていたコガネムシが、ピタッと脱脂綿につかまったまま動かなくなりました。

え?・・・死んだ?
と思うくらい、微動だにしなくなります。
よく観察すると、口もとはもぞもぞと細かく動いています。

もどってこないように部屋の明るさを暗くし、コガネムシののった小皿をバルコニーの隅におきます。
そして数時間後、そっと覗いてみると、いなくなっています。

砂糖水で空腹を満たし、また空に羽ばたいていったのなら、これほど嬉しいことはありません。

人間と違い、昆虫が生まれてから成虫になるまでの生存率は、極めて低いはずです。
せっかく成虫まで育ったんだから、あと少し、がんばれ!

そんな気持ちになったのでした。

でも、結局は人間でも同じなのかもしれませんね。
小さな虫を見て、自分たちの姿を省みる。

嘘なく、ひたむきにがんばる。
そのためには、生きるための知恵や良心が必要です。

夏が来ました!
ぜひお子さんにも、いろんな生物の無心に生きる姿に触れさせてあげたいですね。

体を動かそう/新刊発売のお知らせ

私は今でも家庭教師として現役で、ご家庭に授業に、あるいは家庭訪問という形で(そういうサービスが有るのです)伺っています。

基本的に移動は電車など公共交通機関で、駅からご自宅までは(よほど遠いということでなければ)歩きます。
だから、同じ年齢の方と比べると、よく歩いているほうではないかと思います。

しかし、やはり運動不足は感じていて、最近はちょっとした筋トレなんかをするよう心がけています。

■中学受験する子は太りやすい?

経験的に、受験期にやや太る子が一定数いる、という感覚がなくはありません。
でも、ふつうの小学生における肥満率(一説には10%を少し超えるくらいだそうです)を大きく上回っているかというと、実はそうでもないのです。

しかし、運動不足の子が多いということは、よく感じることです。
私が子どもの頃はゲームも何もなく、遊びといえば外で走り回るくらいしかありませんでした。
そんな時代と比べて「今の子どもは…」などというつもりは毛頭ないのですが、どうしても運動不足になりがちなのは、現代の大人も子どもも同じです。

特に受験勉強がもっとも忙しくなる6年生は、夏を境に日曜もほとんどふさがり、遊ぶ時間がどんどんなくなっていきます。
「体を動かすのは学校の体育だけ」
そんな生活が普通になってくるのです。

おのずと運動不足にもなります。

■体を動かすことで、集中力も高めやすい

それでも学校があるときは、体育の授業という形で週に何時間かは運動の時間があります。
しかし夏休みなど長期休暇中は、意識的に体を動かさないと、どうしても運動が不足します。

激しい運動でなくていいので、ちょとした筋トレや体操、ランニング程度でもいいので、体を動かす時間を意識的にとりましょう。

体を動かすことには、様々な効果があります。
血流が増すこと、勉強しているときとは全く違った脳の部分を使うので、脳が活性化されること、眠気などをコントロールできること、運動することで良質な睡眠が期待できることなど、得られることが多いのです。

私もちょっとした筋トレを始めたと書きましたが、体を動かして始めた1日は、朝から集中できることが多く、ミスもロスも少ないのです。

あっという間に梅雨明けし、夏が迫っています(というかもう真夏の気温ですね)。
勉強はもちろん大切なのですが、それを支えるのは健康、睡眠といった生活の基盤部分です。
体も動かして、しっかり乗り切りましょう。

■この夏「計算」「知識」「思考」を鍛えよう

監修者として関わらせていただいた、前田昌宏氏の著書「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・計算問題」(2018年6月27日発売)と辻義夫氏の「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・知識 思考問題」(2018年8月8日発売)の新刊発売キャンペーンが行われています。

「魔法ワザ」シリーズは昨年発売となり、早くも「定番」となっているようですが、昨年の「算数・図形問題」「理科・計算問題」に続いて「算数・計算問題」「理科・知識 思考問題」と、充実してきました。

算数・理科のエキスパートのお二人のノウハウがぎっしり詰まっています。
この夏、受験生たちのお役に立ちそうで、感想など楽しみです。

興味のある方はこちらへ。

https://www.e-juken.jp/amacam/20180702/

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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