月: 2018年1月
関西ではほぼ入試が終わり、首都圏でも始まっています。
東京、神奈川の入試も約1週間後に始まりますね。
ご家庭ごとに、それぞれの受験プランで臨んでおられることと思います。特に首都圏は学校が多く、受験計画も他の地域に比べると複雑になりますね。3校、4校、あるいはそれ以上の受験校を予定しているご家庭も多いでしょう。
■「不合格」を経験する初めての機会になる場合も
小学校受験を経験したことがないお子さんの場合、本格的な受験はこれが初めて、ということになりますね。
東京都のお子さんの場合、1月に千葉、埼玉の学校を「前受け」し、2月1日から始まる第一志望校の受験に備えます。
いくつかの学校を受験するのが今の中学受験。
考えたくはないですが、受験する学校の中には、「不合格」という結果になる学校ももちろんあります。
実力相応の学校を受験校として選択しているはずではありますが、やはりそういうこともあるのが受験です。
中学受験がお子さんにとって初めての受験の場合、生まれて初めての「不合格」経験となるかもしれません。
■親がうろたえるのはよくない
たとえ本命校、第一志望校でなくても「不合格」という結果を突きつけられるとお子さん同様親もショックです。
しかし、私が毎年親御さんたちにお伝えしているのは「親がうろたえるのがもっとも良くない」ということです。
自分が受けたテストの結果で親が打ちひしがれること・・・これがもっともお子さんの勇気を奪い、モチベーションを下げる行動です。
当たり前ですが、お子さんがもっとも信頼し、絶対に自分の味方でいてくれると信頼しているのがお母さん、お父さんです。
その親御さんが試験結果で打ちひしがれるほど、お子さんにとっては辛いことはありません。
「前受け校」でもしも不合格になったのなら「残念な結果になったのが練習(扱いでの受験だったと断じてください)でよかった、2月1日当日はこれを教訓に●●に気をつけて取り組もうね」
くらいに、親がどんと構えておくことです。
■「合格」は「ゴール」ではない
私が主宰する家庭教師「名門始動会」でお伺いしているご家庭のお父さん、お母さんには(というよりこれまで関わったすべてのご家庭に)お伝えしているのですが、中学受験はゴールではありません。
進学校が決まったら、またそこでの学びが始まり、それは高校、そして大学まで続きます。
もちろん社会に出たら勉強は終わりではなく、そこからこそがほんとうの学びの期間です。
大人になっても常に学びの連続だ、と大人はわかるのですが、ついつい辛い受験勉強をさせてきたという思いからか「もうがんばらなくても大丈夫」というメッセージをお子さんに送ってしまうご家庭があります。
学びは一生続くことですし、学びは辛いことや苦行ではありませんよね。
中学受験を通してお子さんに学んでほしいこと、知ってほしいことはまさにこのことです。
考えることが楽しい、知ることが楽しい、と感じて中学受験を乗り切ったお子さんは、必ずそれ以降の勉強でも楽しさや嬉しさを学びの中に感じて過ごしていくはずです。
お子さんが受験を乗り越えた先に「学ぶ・考える楽しさ」を中学、高校以降も経験していくスタートとなる中学受験になりますように。
みなさんあけましておめでとうございます。
受験生はいよいよですね。
■「前受け校」も真剣勝負
関西の受験生は、この週末が大阪・兵庫の入試日。
いわゆる「前受け校」が岡山の岡山中学校、岡山白陵中学校の場合、もう試験がありましたね。
四国の土佐塾中学校、北海道の函館ラ・サール中学校の県外入試も1月8日(月・祝)に行われたばかり。
いよいよ13日の入試に向けて、関西の受験生の皆さんは最後の追い込み、という状態ですね。
一方、首都圏は2月1日が東京、神奈川の統一入試解禁日ですが、今から1月下旬くらいの期間に千葉県、埼玉県の学校の入試日が集中しています。
前受け校に関しては、
・練習のつもりで受け、進学する予定はない
・受験結果によっては進学を検討する
などいろんな考え方で受験するご家庭があると思いますが、ぜひとも色んな面で受験から多くのものを得てほしいですね。
「前受け」と呼んでいるとはいえ、生半可な気持ちで受験に臨んでいる受験生はいないはずです。
受けるからには「合格」の2文字を得たいと思います。
どんな学校の入試でもそうですが、真剣勝負です。
中学校側から「うちに入学してください」というオファーがもらえるかどうか、という大切なプレゼンの場です。
入試の雰囲気、厳しさ、その他いろんなことを感じると思います。
もちろん合否という結果もそうです。
入試ですから、合格という結果もあれば不合格という結果もあります。
多くの場合、前受け校として選ぶのは「順当にいけば合格という結果を得られる可能性が高い学校」だと思います。
そんな受験でも、当日緊張して力が出しきれなかった、といった理由で不合格という結果になることもあります。
そんな結果の受け止め方として、少しお話しします。
■「前受け校」の合否の受け止め方
合格だった場合、ひとまずは「ひと安心」です。
このときあまり子どもを舞い上がらせず、「よし、この調子で第一志望校も受験しようね。当日の試験でポイントだったのはどんなことだったと思う?」と「勝因」を思い出させてあげてください。
それは「落ち着いて受験できた」かもしれないし「思ったより(思った通り)問題が易しかった」かもしれません。
勝因がどんなことだったとしても、その中から第一志望校の受験に活かせることは見つかるはずです。
「落ち着いて受験できた」のが勝因だったら、「●●中学校の受験生たちも、あなたと同じくらいの実力の子たちだから、焦らず落ち着いて問題に集中すれば良さそうね。」といった具合です。
さて、前受け校で不合格だった場合はどうでしょう。
第一志望校の受験日までに「気持ちのたて直し」が必要となる場合もあります。
「失敗したのが前受校でよかった」と一度気持ちに区切りをつけさせ、前を向かせるのもひとつの方法です。
前受け校として選んだ中学校の方には悪いのですが、本来は第一志望校に合格したかったのだから、と気持ちを前に向かせるのです。
わずか11才、12才の子どもの受験、大人以上に気持ちが結果に現れるものです。
これまででいちばん、お父さん、お母さんの支え、言葉がお子さんにとってありがたい数日、数週間になります。
親子でしっかり乗り切っていきましょう!