昨日、そしてその前の土曜と、私が主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催の授業イベントが行われました。
授業、取材などが入っており私は参加できなかったのですが、20日の算数、27日の国語授業とも、とても興味深いものだったようです。
次の土曜は理科について行われるのですが、意外に「勉強法」について、「塾では教えてもらえない」という声をいただくことが多く、各科目それに応える講座になっています。
■テストで「◯」ならOKというわけではない
私たちがお子さんたちを指導していて、とても大切なのが「×の中に潜んでいる◯」「◯の中に潜んでいる×」を見つけ出すことなのです。
「どういうこと?」と思った方もいらっしゃると思うので、説明しましょう。
たとえば
38 × 99
とい計算問題があるとします。
テストに出ていて、お子さんが正解だったとしましょう。
テストなおしを「テストの間違いなおし」と捉えていると、正解ですから振り返ることなく終わってしまいます。
しかし、この計算問題の下にお子さんが「38×99」のかけ算の筆算を書いていたらどうでしょう?
38 × 99
は、「38を99回足す」「38が99個ある」といった意味ですが、大切な視点は「あと1個あれば100個になる」ということです。
38 × 100
の計算なら、暗算でも間違う子はほとんどいないでしょう。
だから
38 × 99 = 38 × (100 − 1)
と考え、
3800 − 38 = 3762
と工夫することを知っていたか、使っていたかを確かめておきたい。
そういった視点でお子さんの勉強法を見直してみましょう、といったことが、今回行われている講座で扱われている「勉強法」です。
■「式」ではなく「イメージ」に落とし込む
20日の算数の講座は「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒させていただいたいる前田昌宏先生が講師だったのですが、記録された当日の映像を見て「うんうん、その通り!」と膝を叩いて同意してしまうポイントがいくつもありました。
算数では「式を書く」ということが大切と言われます。
「先生、うちの子暗算ばかりして式や筆算を書かないのでミスが多くて・・・」
といったご相談もふだんから多く受けます。
確かに式を書いておけば、間違ったときに「どこで間違ったのか」を確認しやすいというのは事実です。
しかし、私がときどき授業中にお子さんに「これは式と同じくらい、いや、式なんかよりもっともっと大切なことだから、絶対覚えておいて。」という事があるのです。
それは、図や表、グラフなどを書いて、問題の状況を「見える化」すること。
たとえば速さの問題で、時間の条件が多い問題を解くときにどうするか。
簡単な問題なら、問題文を読んで、すぐに式を立てられるかもしれません。
しかし、そもそも速さの問題で条件が多いとなると、一筋縄で片付かない問題である可能性が高い。
そんなとき、式よりもまず「どうやって、どんな形に整理するか」が大切です。
時間に関する条件が多いのなら、整理のためのツールは「グラフ」が筆頭になります。(速さのグラフを「ダイヤグラム」といいます)
なぜなら、ダイヤグラムを使って「縦軸=距離」「横軸=時間」として示せば、どれくらいの時間でどれくらいの距離を進んだかがわかりやすいからです。
「こんなにグラフの傾きが急になってる・・・。短い時間でたくさんの距離を進んだんだな。すごいスピードだ!」
お子さんがこんなことを考えながら解けるのが理想です。
「答えがあっている」「式を書いている」の手前にある、とても重要なことです。
■勉強法をお伝えするイベントを行っていきます
今回を伝えしたようなことをたくさんお伝えする講座、次回は理科とのことで、楽しみです。
担当されるのは、同じく「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」でご一緒している、辻義夫先生。
残念ながら理科にも私は参加できないのですが、参加される幸運なご家族には(少人数での特別な講座なので、募集するとあっという間に定員に達するようです)「理科を目一杯楽しんでください」とお伝えしておきましょう。
「塾の使い方」をテーマに様々なことを私たちがお伝えしている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」ですが、今後は塾でもなかなか教えてもらえない「科目別の勉強のしかた・ポイント」をお伝えするイベントをたくさん開催しようと考えていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。