月: 2017年4月

中学受験 親の不安を取り除くための視点

■お母さんの気持ちをざわざわさせるのは・・・
「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の記事で、勉強したがらないお子さんのことを書きました。
お子さんが勉強を嫌がる、なかなか宿題に取り掛からない、最後には親子喧嘩になって、無駄に時間が過ぎていく・・・。
そして、感情的になった自分に自己嫌悪。。。
そんなお母さんからの相談もよく受けます。
お母さんが、なかなか勉強しない我が子を見て感じるのは、たとえば
「自分が『中学受験したい!』っていい出したんだから、頑張ってよ!」
という、我が子の不甲斐なさへの腹立たしい気持ち。
でも、それだけならまだいいのです。
同時に感じるのが、
「他の子はがんばっているのに、こんなところで足踏みしてちゃ、どんどん差がついてしまう・・・」
という焦り。
これが余計にお母さんの気持ちをざわざわさせてしまうのです。
■他の子はがんばっているのか
「うちの子は、受験までもう1年もないのに、まだ『本気モード』にならなくて・・・」
この『本気モード』はお母さんや地域によっては『目が三角』『キレッキレ』などいろいろですが、『超真剣な状態』みたいな感じで仰っているようです。
つまり、「うちの子がのんびりしている間に、他の子は『本気モード』で頑張っているから、どんどん差をつけられるのではないか」というのが先ほどの言葉のもとになっている不安ではないかと思います。
中学受験するお子さんが本当に真剣になるのは、もちろん直前期。
その次に真剣なのは冬休み。
その次に真剣なのは12月。
もうちょっとさかのぼって、6年生の9月や10月はどうかというと、少なくとも「焦っているようには見えない」のがふつうです。
お母さんから見ると「なに呑気にやってんのよ」くらいにしか見えない(笑)。
念のために申し上げますが、お子さん本人は(『超』ではないかもしれませんが)真剣です。
のらりくらりする(そのようにしかお母さんからは見えない)お子さんに気持ちがざわついたときは、このことを思い出していただくといいかもしれませんね。
■お子さんと「真剣勝負」してみる
以前、私のところに「電流を教えてください」と頼みに来られたお母さんがいました。
理由を聞くと「息子に勝ちたいから」というのです。
なんでも「自分はできないくせに、うるせえクソババア」と言われて腹を立て、なんとしてもギャフンと言わせてやると、息巻いてこられたのでした。
「私ももとリケジョですから」と鼻息の荒いお母さんに、できるだけ丁寧に電流の単元をお教えしたのですが、結果は惨敗。
そのときは素直に「あんたすごいね・・・」という言葉が出たそうです。
それ以後勉強面での「不毛な親子喧嘩」が減ったようです。
もしもお父さんやお母さんが、お子さんの勉強の内容まで把握している場合、一度勉強で「真剣勝負」してみるのもいいかもしれませんね(^^)
結果はどうあれ、相手への見方、接し方が変わるのではないでしょうか。 

中学受験 計算問題を得意にしよう

■「つまずきをなくす 算数」シリーズが出揃います
「つまずきをなくす 算数 計算」に始まり、図形、そして文章題も刊行になった「つまずきをなくす 算数」シリーズが4月26日にすべて出揃います。
書名のとおり、算数のつまずきをなくすためのドリルです。
ドリルといっても、一般に数百円で書店で売られている「計算ドリル」ではなく、学校でそれぞれの学年で習う計算・図形・文章題の考え方、計算(筆算)のしかたなどの詳しい説明も掲載している参考書+問題集といったものです。
低学年のお子さんには、「塾に入る前に、あまり高度な算数をする必要はないが、計算は学校の1学年上くらいまでをやっておくといい」とアドバイスすることが多いのですが、その「計算の先取り」にもぴったりだと思います。
ご購入いただく場合は、主任相談員を務めさせている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」のほうでキャンペーンがあるようなので、追って皆さんにお知らせしますね。
■計算は「100%正解」が基本
計算の重要性は、上記の「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」の記事にもあるのですが、私も強く感じています。
「計算ミス」「ケアレスミス」とよく言いますが、計算に関しては「常に100%正解」を目指していただきたいと考えています。
計算テストでの1問不正解は「多くの問題の中の1問不正解」ですが、文章問題や図形の問題を解く中で1つ計算間違いをすると、その問題そのものが「不正解」となってしまうからです(部分点を貰える場合もありますが)。
また「答えが正解になるか」も大切ですが、「せっかく苦労して計算したのに正解ではなかった」となるとお子さんのテンションもあがりませんね。
解き終わってマル付けしたとき「よっしゃ〜!」となったほうがもちろんお子さんのモチベーションは上がるものです。
■計算練習は毎日が基本です
運動などと同じように、計算練習は毎日するのが基本です。
やらない日が多くなると、どうしても「面倒」「大変」という気持ちが生まれて大きくなってしまうのは、大人も子どもも同じ。
お子さんがもしも低学年なら、今のうちから習慣づけておきましょう。
もう塾に通っているなら、塾から与えられた計算問題集やプリントがありますね。
それを活用するといいと思います。
ただ、市販の計算問題集にも面白いテーマを持ったものがありますから、書店を覗いてみることもお勧めします。
入試では「知らないと解けない」類の問題も出ます。
10000 × 10000 − 10001 × 9999
この計算を暗算で解くのは非常に困難だということは、一見してわかると思いますが、あることを知っているといとも簡単に解けてしまいます。
ヒントは「面積」です。
このようなものも含めて、毎日の訓練と経験が計算の知識と作業力を育んでいきます。
毎日の計算を習慣づける方法としては、日常必ず行う行動と結びつけるのがおすすめです。
朝ごはんの前、夕ご飯のあと、お風呂の前、といった具合です。
ぜひ試してみてください。 

お子さんに「もう一人の自分」がいるでしょうか?

図のような角度の問題があります。XとYの角の大きさを求める問題です。
この問題を子どもたちに教えるときに「Xの角度は25°と35°の合計になります。」とまず結論を伝えて「なんでなんで?」と子どもたちの好奇心を高めて説明を展開していくか、あるいはまっさらな状態でまずはいろいろ考えてもらうか、講師によって、またクラスやお子さんによって手法は様々ですが、上手な講師ほど、お子さんを主人公にして解いていきます。
お子さんが主人公、というのはどんな様子か、ちょっとシミュレーションしてみましょう。
講師「さて、XとYの角の大きさを知りたいんだけど、どうすれば求めやすくなりそうかな?
お子さん「・・・補助線?」
講師「補助線!いいね。引くとしたらどこに引こうか。」
お子さん「えっと、Aのところから中心かな。」
講師「どうしてそう思ったの?」
お子さん「円の問題の補助線は中心まで、って習ったんだ。」
講師「そうなんだ。じゃ引いてみよう。」
講師「さて、なんか気づくことはあるかな?」
お子さん「二等辺三角形だ!」
講師「そう。円の半径はどこも長さが等しいからね。」
お子さん「そうか、二等辺三角形ができやすいからなんだね。じゃあ、Xは 25 + 35 で 60°だ!」
講師「その通り!こんどはYだね。」
お子さん「これって『ブーメラン』だよね。Yはこの3つの角の大きさの合計になるんだよね?」
講師「よく知ってるね!どうしてそうなるんだっけ?」
お子さん「ええっと、たしか外角が関係あるんだよね・・・こうやって・・・」
お子さん「こうでしょ?こっちの三角形の2つの35°の合計がここで、こっちの三角形の2つの25°の合計がここ。だから3つの合計がYですっ!」
講師「素晴らしい!(パチパチパチ)」
お子さん「エッヘン!」
ま、今どきお子さんが「エッヘン」と言うかは別として、講師がナビゲート役としてお子さんが解き進めるのをサポートしています。
『ブーメラン』についてお子さんが覚えていましたが、さりげなく理由があやふやになっていないか確認しています。
そして、もしも『三角形の外角定理』まで不安だと思ったら、さらにこの講師は確認を入れるでしょう。
あくまでも考え、解いていく主体はお子さんの方です。
だからお子さんは「解いた」という実感があり、納得感もあるでしょう。
こういう講師に習っているお子さんは、自分で勉強するときも「対話」しながらするようになります。
「えっと、ここがこうでしょ。だったらこれは3になるよね・・・そうそう、だから・・・」みたいな感じです。
自分の中に「もう一人の自分」がいて、その「もう一人の自分」と対話しながら解くんですね。
この「もう一人の自分」は、頼りになる相棒としてお子さんを助けてくれます。
「え〜、だめだよこのやり方じゃ。さっきからずっと同じところをグルグル回ってんじゃん。ちょっと視点を変えてみようよ。」
「ちょっと時間使いすぎてない?テストなんだからさ、他にできる問題を見つけてそっちをやったほうがよくない?」
ときにはこんな助言もくれます。
講師になりたての頃は、皆「教えること」に一生懸命になります。
でも、やがて「教える」というプッシュ型のアプローチから「引き出す」というアプローチに変わっていくのです。
教えて、わからせても、お子さんが解けるようにならなければ意味が無いからです。
だから「わかりやすい先生」の先に、まだ講師には目指すところがあるのだと思っています。
そんなことを考えながら、主催する「名門指導会」の先生方との勉強会を常に続けていこうという思いを強くする春です。
お子さんたち「もう一人の自分」はいるでしょうか。
ちょっと確認してみてあげてください。

算数の『裏ワザ』で隣の子を出し抜くのは楽しいのか

このところ、というか「近年」くらいのレベルで気になっていることがあります。
「先生、この図形の問題は、この辺の比を分数にして3つかけ算すると答えが1になるから、AF:FDは2対1だね。」
こんなことを言う子がいます。
「どうしてそんなことが言えるの?」
と聞くと
「塾の先生が『裏ワザ』って教えてくれたんだ。」
と言います。
「どうしてそうなるかは知ってる?」
と聞いてみると、
「知らない」
メネラウスの定理という高校数学で習う定理を言っているのですが、理由を教えないまま『裏ワザ』として教えてしまうことに不安を感じます。
小学生は高校数学を学んではいけない、ということではありません。
小学生でも中学、高校分野の数学を理解して使いこなせる子はいますし、そういう子に数学を学ばせることに関しては、特に反対の立場ではありません。
一方で、メネラウスがなぜ高校数学分野で教えられるのかを考えると、小学生の段階では多くの子が抽象的なことがらへの理解力が発達途上だからです。
だからまず小学生は、算数という分野で、面積比から辺の長さの比を考えるのです。
平たく言ってしまえば、年令にあった学習、ということです。
それでも中学受験の勉強は、一般の「小学生向け」の勉強よりはずいぶん抽象度の高い学習ではありますが。
では、どうしてそうなるかがわからない『裏ワザ』を使って算数を解いて楽しいのかというと、楽しくないはずです。
算数の本当の楽しさは、『裏ワザ』を使って楽に、早く答えを出し、隣の子を出し抜くといったところにはないからです。
入試で点を取り、合格するためには速く、正確に「正解」を出さなければならないじゃないか、という意見もあるのかもしれませんが、やはり考えずに当てはめて正解を出す「近道」は、受験生であっても取らせてはならない選択肢だと考えています。
子どもたちは「考える楽しさ」を存分に味わうための「素養」を持っています。
その素養を枯れさせてしまわないように、私たち大人は気をつけなければなりませんね。
やはり1つの大きなヒントは、幼少期だと感じています。
「どうして?」「なんで?」を連発する時期は親は手を焼くものですが、そんな時期にしっかり「?」に親が付き合ってくれた子は、安易に『裏ワザ』に頼り切ることなく、上手に付き合えるようになるものです。 

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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