月: 2017年2月

日経DUALセミナーで気づいたこと

■2月18日(土)、秋葉原にてセミナーを行いました。

 日経BP社「中学受験 基本のキ!」共著者の小川大介さんと講師を務めさせていただいた、日経DUALさん主催のセミナーだったのですが、いろんな発見がありました。

 あらかじめどんな話をしようかと、できるだけ綿密に打合せをするのですが、いざ現場で話すと、さらにどんどんお伝えしたいことが増えていきます。だからついつい2時間の時間内に収まりづらくなっていくのです(笑)。

 こんなに伝えたいことがあるなら、あらかじめもっと段取り良く話の構成を組んだのに、と我ながら反省するのですが、そんなことから気づいたことがあります。

 

■「伝えること」と「伝わること」は違う

 私は家庭教師としてご家庭に伺い、お子さん、お父さん、お母さんと毎日話をするのですが、たくさん話をすればするほど、「これは言わなくてもわかっているだろう」という過信がなくなっていくということを感じます。それは相手の様子、状態がわかるからで、「このことはこのレベルまで、この言葉で伝えないと伝わらないぞ」と感じながら話すので、あれも、これも伝えたいという欲求というか、必要性が出てくるのです。

 セミナーでは、塾に関してかなり突っ込んだことを話したのですが、塾の授業は「一方通行」になっている場合があります。講師が「伝えること」に夢中になりすぎて、受け取る側の都合、状態に目が配れなくなっているのです。授業の中でひとこと、ある言葉を端折っただけで、子どもはわからなくなるのです。いや、子どもだけではないですね。大人の目からはそういう状態の講師は「訳の分からないことを言っている人」と映るでしょう。

 

■端折らずに、具体的に伝える

 親子の会話ではそこまでひどい状態は少ないかもしれませんが、でもついつい「端折る」ということをしてしまいがちです。あまりにも近い存在なので「これくらいは伝えなくてもわかっているだろう」と考えてしまった経験は、私にも多々あります。

 今日のセミナーでは、一週間のスケジュールを立てるにも、志望校を決めるにも、お子さんとしっかり、時間をとって話をしましょうという話をしたのですが、話をすればするほどスケジュールは実行可能なものに近づいていきます。親のフラストレーションが溜まる原因は、実はお子さんのせいではなく、お子さんに伝えていないのに「やってくれるはず」と感じるところにあります。

 親子だけでなく、夫婦でも友人でも、具体的に伝えるというのは大切で、とても効果があることです。

 他人同士だとできることが、とても親しい存在の、本当に大切な人相手だと、ついつい相手に甘えてできなくなる。

家族ですからそういう優しさも心地よいものですが、ちょっと意識して「具体的に伝える」ということを実行すると、ちょっと生活が変わるかもしれませんね。

 

 

芦田愛菜さん合格でフジテレビ「直撃LIVEグッディ!」にコメントさせていただきました

■2/13 フジテレビ「直撃LIVEグッディ!」でコメントさせていただきました。
子役の芦田愛菜さんが芸能活動をセーブして半年間猛勉強、なんと偏差値70を超える難関私立中学校に合格していたことを受け、番組にコメントを求められたのでした。
たった半年の受験勉強でいわゆる「最難関」中学校に合格するなんて、可能性としてはほぼ不可能に近いはずですが、幾つかの要素が奇跡的に揃ったのではないかと思います。
まず、「1日12時間勉強した」という並外れた努力。
受験勉強の期間が短い分、どうしても1日の勉強時間は長くなってしまいます。
長時間の学習では集中を保つのが(特に小学生にとっては)難しいのですが、流石に女優さんだけあって、集中力が高いのでしょう。
■「地アタマ」「才能」だけじゃない
また、地アタマと呼ばれるいわば「才能」の部分と精神年齢の高さもあったのではないでしょうか。
芦田愛菜さんは、「子役としては珍しく自分の実年齢よりも上の年令の子どもを演じ切ることができる」という話を聞いたことがあります。
中学受験では精神年齢の高さを求められます。
国語の文章では、両親が離婚した子どもの気持ち、兄弟と離れ離れにならざるをえない戦後すぐの子どもの心情を考え、想像し、出題者の意図を汲みながら問題に最適な回答を作り上げなければならない、という状況だってあります。
精神年齢の高いお子さんは、それだけで有利なのです。
子役として様々な場面、状況を経験する中で、芦田愛菜さんは受験勉強につながる「素地」を鍛えていたのではないかと思うのです。
だから驚くほど短期間で、学力を一気に伸ばせたのではないかと想像します。
「1日12時間勉強」が大きくクローズアップされがちですが、これまでの実体験が勉強に大きく役立っていたのでは、という部分にも注目したいと思います。

開成中2017算数と理科はどうだったか

■算数の大問2でうろたえなかったか

算数の大問2は、受験生にとっては題意の把握がやや難しく感じられた問題でした。しかもボリュームがあり「けっこう配点が高そう」と焦った受験生も多くいたのではないでしょうか。解いていくと(1)さえうまく乗り切ればOKだったのですが、入試当日、緊張の中難しかったかもしれませんね実際には大問1・3・4が標準的な問題だったので、ここでの失点がなかったが合否の境になったのではないかと思います。

85点満点で、開成中が発表している合格者平均点が54.8、受験者平均点が40.1と、14.7点もの点差がありました。「大問1・3・4が標準的な問題」と書きましたが、それは「開成受験者にとって」ということで、やはり難関校に対応できる受験対策をしっかり身につけてきたかどうかで合否が決まる、いわば「実力通りの結果が出る」問題だったと言えるでしょう。

■理科で合格することはなくても、落ちることはある

一方、理科はどうだったかというと、例年通りの「高得点勝負」となりました。開成中の場合「理社で合格することはなくても、落ちることはある」と言われるくらいで、理科社会の失点が命取りになる場合があるのです。

70点満点で受験者平均が56.8点、合格者平均は61.5点と、より配点が高い算数や国語よりも受験者平均、合格者平均ともに高いという、ある意味開成らしいテストでした。

大問1は燃焼に関する問題ですが、特に計算などもなく、大問2は地層と流水に関するもの。珍しく写真を問題に掲載していますが、地層に傾きはなく、内容は標準的。大問3は動植物の誕生と発生に関する問題。選択問題がやや紛らわしいものもありますが、開成受験者にとってはそ大きな問題ではなかったはずです。大問4はてこと浮力の組み合わせ問題。問7では「棒の左右どちらかの端を支点と考える」と合格者の多くが気付いたのではと思います。

■2018年受験に向けて

ざっくりと言うと、

算数、国語:受験者平均5割・合格者平均6割

理科:受験者平均8割・合格者平均9割(!)

社会:受験者平均7割・合格者平均8割

という結果になった2017年度の開成中学校の入試。理科の高得点化が際立っています。

特に理科社会に苦手分野や意識があるお子さんは、早急に解決して全方位隙のない状態を、受験までに整えなければなりませんね。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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