■6年生の姿は「1年後、2年後の我が家」
3月10日(木) 渋谷にてセミナーを行いました。
中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒させていただいている、個別指導教室SS-1の小川大介さん、前田昌宏さん、辻義夫さん、そして馬屋原吉博とともに、弁士として参加させていただいたのです。
今回のセミナーは、「6年生の春のうちに何をしておくべきか」がテーマです。6年生についての話なのですが、5年生以下のお子さんのご家庭のお父さん、お母さんも興味深そうに聞かれていました。1年後、2年後の我が家の話だからです。
6年生になると、さすがに学習内容の難度も高く、量も多くなるのですが、5年生までのお子さんは、ぜひそれまでに「学習のしかた」の足腰をしっかりさせていただきたいと思います。
■6年生の夏から、塾の勉強はこう変わる
6年生の春は、実質「受験勉強の仕上げ期間」という扱いになります。どういうことかというと、6年生の夏以降は、春までに受験勉強を終わらせたという前提で、「演習授業」が中心のカリキュラムになっているのです。
6年生前半までの授業が「インプット中心」の授業だとすれば、後半、夏からの「演習型」の授業とは、「アウトプット中心」の授業です。まずとにかく問題を解き、その結果「忘れていた」「理解が不十分だった」という部分を抽出して、なおしによってその単元を補充的に学習する、という流れの授業です。過去問を題材とすることで、志望校の出題傾向への慣れを培うという効果もあります。この授業が効果的に行われるためには、その前段階で各単元の学習がおおむね良好に身についている、ということが必要なのです。
6年生の夏の段階で苦手単元がいくつもある、という状態では、そもそもこの前提が準備出来ていないということになり、本格的な受験対策がうまく回っていかないのです。
だから4年生、5年生のお子さんは、各科目で苦手分野を残さないよう、学習のしかたをチューニングして言ってください。
■5年生までの各科目の具体的な勉強法
チューニング、といっても具体的に何をすればいいかと思いますよね。
まず算数ですが「答が合ったからいい」という勉強にならないようにしましょう。テストの点数も大切ですが、「ちゃんと理解して正解しているか」がもっと大事なのです。5年生までは、知識と解法で解ける問題がテストの大半を占めます。でも6年生になると、そこに「整理」という要素が入ってきます。複雑な条件をどう整理すれば考えやすくなるか、糸口が見えやすくなるか。その力は、単に解法を暗記するだけでは身につきません。
「この問題を解く糸口は◯◯だ。なぜなら・・・」
の続きをきちんと言えなければならないということです。
続いて国語ですが、国語の力の大きな割合を占めるのは「知っている言葉の数」です。入試問題の本文は小学生が普段使わないような「大人の言葉」のオンパレードです。一つの言葉がどんなシチュエーションで、そんな意味合いで使われるのかをたくさん知っているお子さんが「読める」「精読できる」お子さんです。ふだんのやりとりから、ちょっと「大人の言葉」を使うよう意識してみてあげてください。塾のテキストの文を「ななめ読み」しなくなります。
理科に関しては、単に「覚える」のではなく、因果関係をしっかり理解して覚えることが大切です。月の裏側が地球から見えないのは、受験生にとってはもはや「常識」に近いことですが、それがどうしてか、言葉で、そして図を使って説明できるか。そんなことを意識し、つねに「◯◯だから■■」とものを考える週間をつけるようにしましょう。
■「正しい習慣」を身につけよう
中学受験のよいところは、お子さんに学習の習慣がつくことです。毎日一定量、勉強するということは、非常に大切なことです。この学習習慣は学生の間だけでなく、一生お子さんを助けてくれる宝物です。
だからこそ、正しい学習習慣を身につけるということを心がけましょう。上で述べたような勉強を心がけ、単に暗記するだけとか型に当てはめるだけといった勉強に陥らないようにしてください。
4年生、5年生のうちにそういう習慣がつけば、6年生になっても「睡眠時間を削って勉強」というようなことは起こらないはずです。