月: 2015年12月

◯◯しなさい、さもないと・・・

2015年もあと数日。6年生は間近に迫った入試に向け、最後の追い込みに入っています。この時期、子どもたちは「こんなに自分がたくさんのことを覚えられるなんて信じられない」といった意味のことをよく言います。つまり、入試本番がいよいよ迫ってきて、「超本気モード」で勉強しているので、今までとくらべて明らかに記憶力、理解力が上がっていると実感しているのです。

何よりも、集中力が上がっているのがその大きな要因ですね。

そんな姿を見ていると、それではもっと早くから「超本気モード」にさせることができれば、どんどん成績を上げられるのではないか」と考えてしまいがちですが、なかなかそううまくはいきません。

子どもを本気にさせるために、ついつい大人がとってしまいがちな行動が、「叱咤激励」。

それ自体が間違っているわけでも、悪いわけでもありません。そして叱咤激励している時の大人が言っていることは「正論」です。

でも、正論だったら言われた子どもは納得して聞き入れるかと言われると、そうではありません。そもそも中学受験を目指して塾に通う子どもの多くは、すでにまじめに、一生懸命勉強しています(少なくとも本人たちはそう思っています)。そこへ正論を振りかざされると、多くの場合反発の気持ちしか生まれてきません。

中学のときに習った英語の構文に
「命令文+and〜」
「命令文+or〜」
というのがありました。

上の構文は、
「◯◯しなさい、そうすれば〜」
という意味で、下の構文は
「◯◯しなさい、さもないと〜」
という意味だったと記憶しています。

下の構文で子どもに話し続けると、子どものモチベーションはどんどん低下して、お母さんに叱られるから、といったマイナスの動機でしか動かなくなっていきます。

「算数の復習をしておかないと、次のテストでいい成績が取れないわよ。」

ここまで露骨ではないにせよ、ついついこのようなトーンで話してしまいがちかもしれません。

お子さんと過ごす時間が長くなる冬休み、意識的に「伝え方」にこだわってみるのもいいかもしれませんね。

インフルエンザで成績が上がる?

昨日(12月15日)、インターネット教育ポータルサイト「リセマム」様主催のセミナーに講師として参加させていただきました。
「中学受験を考える保護者必聴 子どもの学力と体力を育てる!冬休みの過ごし方講座」と銘打ったセミナーで、個別指導教室「SS-1」を主宰する小川大介先生と私が担当したのは、第一部「受験学力をすくすく育てる『心』と『体』の使い方」のパートです。
年も押し迫ったこの時期にもかかわらず、たくさんの方にご来場いただき、お母さんたちの熱意に感心してしまいました。
大きな舞台の壇上からのお話になってしまい申し訳なかったのですが、低学年から高学年のご家庭まで、みなさんメモなどを取りながら聞いていただきました。
今年は暖冬のようですが、やはり年末のこの時期になると、お子さんの体調面の管理は気になるところですね。乾燥するとインフルエンザなどのウィルスも繁殖しやすく、とくに受験を控えた6年生のお母さんは敏感になってしまう時期でもあります。
カゼなどの予防はもちろんマスク・手洗いなどが基本ですが、しっかり睡眠をとること、家で過ごす時の環境をととのえるといったことも大切です。室温管理や加湿ですね。そして睡眠時間は言うに及ばずです。
何度かセミナーやこのブログでも紹介したことがあるかもしれませんが、実は子どもたちがインフルエンザなどにかかって数日から一週間ほど学校を休むと、学力がぐんと上がったように感じるのです。特に6年生のお子さんに関して、そんな印象を持っています。
とはいえ、たぶんインフルエンザが学力に直接影響しているわけではありません。
実はインフルエンザにかかり、家でしっかり寝る時間を確保したことで、驚くほど計算や思考のスピードが速くなるようなのです。どうしても6年生は、受験間近のこの時期になると睡眠時間が不足しがちです。しっかり睡眠をとることで、本来持っている能力が発揮できているようなのです。
ふだん教えている私たちでさえ、「この子はこんなに速く計算ができるんだったんだな」と驚いてしまうほどです。
冬休みが近いですが、お子さんの生活全般をこの機会にあらためて見直し、適正な睡眠時間をとらせてみてください。きっと、ちょっとした学習メニューをこなさせるよりも効果があるはずです。

冬期講習会=復習と考えてはいけない?

12月11日、主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局」との共催セミナーを開催しました。

今年は11月の開催で最後にしようと考えていたのですが、

「2月から新しい学年になる前に、この冬どんなことをさせればいいですか?」
「結局この1年、成績が上がらずじまいでした。このまま学年が上がったら、上がるどころか下がるんじゃないかと不安です」

といった声をセミナー後にたくさんいただき、なんとかもう一度、年内にみなさんにお話しする機会を得られないかと考えた末、ウェブセミナーという形をとらせていただいたのです。

セミナーの中でもお話ししたのは、冬休みには冬期講習会があるから、そこで今年の総復習をやってくれる、と漫然と考えていては期待はずれに終わる可能性があるということです。大手進学塾で、講習会が純粋に復習というのは日能研くらいで、サピックスはカリキュラムがどんどん進んでいくタイプの塾ですし、四谷大塚系のカリキュラムも、予習単元がかなりの量入っています。

苦手な単元は冬期講習会で、ではなく、冬期講習が始まる前になんとかしておくというのが望ましいのです。そういう視点で冬休み前のスケジュールを眺めてみると、冬休みの開始から冬期講習が始まるまでの期間や、冬休み前に短縮授業の期間があるならその期間が目についてくると思います。

また日能研のように講習会が「復習型」の塾の場合、講習会で新しく習うことは少ないですから、「もうじゅうぶんできるから、あらためて授業で教えてもらうまでもない」といった単元をどうするかをあらかじめ考えておくといいですね。そのような単元の学習は思い切ってお休みして、苦手科目や弱点単元の学習に充てるという手も大いにありなのです。

関西の浜学園も、講習会は復習というタイプの塾ですね。もちろん希学園も似たカリキュラムを持っています。塾からは「講習会には必ず参加してください」と言われると思います。でも、本当に必要かどうかはご家庭が決めること。参加するかどうかもそうなのですが、1日1日、この日は出席するのかということも考えるのが結局はいいように思います。

気をつけていただきたいのは、冬休みは意外に短く、クリスマスや年末年始など(親御さんも)バタバタしがちで、なんだかこれといったこともできずに過ぎ去ってしまった、という結果になりがちだということです。

だからあらかじめ塾のカリキュラム、ご家庭の行事予定などをしっかり確認し、「いつ、何を」するかをしっかり決めておくことが大切なのです。そして、その予定はあらかじめお子さんに共有するようにしておきましょう。お子さんはお子さんで、学校がお昼までで終わるのなら友達と遊ぼう、と考えて約束して帰ってくるかもしれません。だからあらかじめ「この日は◯◯の復習をしようね」と声をかけておくことで予定をおさえておくのです。

2月には塾の学年が上がります。学年が上がると、授業時間が長くなったり通塾日数が増えるなど、お子さんの負担は増えることはあっても減ることはありません。そして塾の日数や授業時間が増えたら、そのぶん宿題も増え、ダブルでお子さんに掛かる負担は大きくなるのです。(塾の時間が1.5倍に増えたら、その宿題もおよそ1.5倍に増え、お子さんの感じる負担はそれまでの2倍以上、ということも珍しくはありません。

今5年生のお子さんの親御さんなら、4年制から5年生に上がった時のことを思い出していただきたいのですが、次に6年生に上がったときには、5年生になったときよりもさらに負担感は大きくなるはずです。

だから、この学年で気づいている苦手はこの学年のうちに克服、ということを目指して、のこりの2ヶ月足らずを過ごしていただきたいと思います。

周到に、新しい学年に備えていきましょう。

学年ラスト2か月の過ごし方

11月26日(木)、新宿・渋谷にてセミナーを行いました。私が主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」、そして共著者である小川大介氏が主宰する個別指導のSS-1、そして家庭教師の名門指導会の共催、書籍のもととなった連載「中学受験 基本のキ!」を掲載いただいている「日経DUAL」の協力をいただいて開催したものです。
セミナーは午前の部(新宿)、午後の部(渋谷)の2回開催でしたが、午前の参加者は圧倒的にお母さんが多く、夜はお父さんの姿が目立つといった特徴もありました。木曜日の仕事終わりにセミナーに参加されるとなると、きっとお疲れなのでしょうが、すごい熱気に話し手としても力が入ってしまいました。
セミナーは「基本のキ!」という書籍名の通り、「中学受験をするとどんな毎日になるの?」から始まり、2月の塾の新学年に向けてどんな準備をしていけばいいかまで、幅広いお話になりました。
セミナーでは話しきれない部分もあったのですが、この12月〜1月、塾の学年の最後の2ヶ月にしておきたいのは苦手克服です。苦手克服といえば大変なことのように聞こえてしまうかもしれませんが、今年学習してきたことの中で、今ひとつ点が取れなかった、ちゃんと理解できていないように思う、そんな単元をもう一度学習し直すのです。
そんなの冬期講習会でやってくれるんじゃ、と思われるかもしれませんが、幾つかの理由で自分でもやるべきだと思います。
一つは、冬期講習会で習うカリキュラムに、お子さんの苦手単元がバッチリ入っているとは限らないことです。なかには「この単元はもうやらなくても大丈夫」くらいに理解が進んでいる単元もあるかもしれません。
もう一つの理由は、塾によっては「冬期講習は復習内容とは限らない」ということです。たとえば大手進学塾のサピックスは、若干の復習はあるとはいえ、基本的に「進み続ける」カリキュラムです。たとえ同じ単元名の授業が繰り返しあっても、次に習うときには前に習ったときの上のレベルからだったり、また違った解法パターンの問題が中心だったりするのです。
だから、「今わからなくても、次にまた同じ単元の授業があるから大丈夫」と考えていたら、次に習ったときにはもっとわからなくなる、ということが起こるのです。
新学年まで2か月。
まずは「この2ヶ月で何をやるべきか」をテーマに、ここ数回のテスト(復習テストレベルではなく、公開やオープンなど大きなテストがいいですね)で間違っている問題が多かった単元のリストアップからになるでしょうか。
学年ラストの2か月、大切に過ごしましょう。
PS
セミナーの動画、中学受験情報局の方で公開の準備が進んでいるようです。まずは参加者のみなさま、そして後日中学受験情報局のメルマガ会員のみなさまにも公開予定だそうです。
楽しみにお待ちください。 

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

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▼2022年6月24日(金)

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▼2022年5月27日(金)

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▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

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▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

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「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

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「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

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「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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