四谷大塚の第1回合不合判定テストが、4月12日に行われました。算数、理科を分析してみての感想を書き留めておきたいと思います。
 
■多彩な力を試される算数
 
算数の問題配列は、いわば順当といえるものでした。計算に始まり、大問2では小問集合、そして大問3以降は順を追うごとに難度が上がっていくようなつくりです。大問5くらいまでjは基本〜標準問題の内容なので、ここまでで大きく失点すると、高得点は望めません。
 
ポイントは大問2の図形の折り返し問題、大問4の集合の問題でしょうか。図形の折り返しは、折り返す前の図形と折り返したあとの図形を重ねあわせて考えること、集合の問題が線分図、ベン図、表などにまとめるのが定番の解き方ですが、このあたりの知識、解法を正しく使うことができたかによって、得点に違いが出てきます。
 
大問6は速さの問題。難問ではありませんから、ていねいに図を書けば解き切れるはずですが、焦りの気持ちから図がいいかげんになってしまったりすると、手こずるタイプの問題です。
 
大問7は、小さなタイルをたくさん使って大きな正方形を作るという、初見から倍数の問題とわかるものです。1辺の長さが違うAとB、2種類のタイルが登場しますが、単にA、Bワンセットとして考えてうまくいくという単純なものではないと考えて解けるか、ここは気持ちの余裕が大きく物を言います。
 
大問8、9は難問。この2問にがっちり取り組むことができる時間があった子どもは、かなり算数ができる子だと思います。大問8は、いわゆる「まるいち算(①解法)」を使いこなして解き切ることができますし、大問9は試行錯誤で規則性を見つけるタイプの問題。算数好きならテスト直しででもチャレンジしてみてほしいところです。
 
■過酷な問題配列の理科
 
一方、理科の問題配列はある意味で過酷でした。大問1は小問5問、生物、地学分野からです。大問2は昆虫の分類。易しい問題なので、大問1〜2での失点は、かなりの痛手になる可能性があります。
 
理科の最大のポイントは、大問3です。透明半球上の太陽の軌跡の長さから時刻、時間を比例配分で計算する問題ですが、受験生の予想以上に手間がかかり煩雑で、計算分野が苦手な子どもはもちろん、そこそこ得意だという子どもでも、かなり手こずったに違いありません。
 
この大問3が、その後の大問4(化学計算 難度低)や大問5(力学 難度低)の出来に大きく影響を与えた結果となった子どもが多かったでしょう。大問6は電流で難度が高く、あまり差がつかない問題であることを考えると、大問3で「どのくらい気持ちを揺さぶられたか」が大きく結果を左右した出題でした。
 
6年生になると、各塾のテスト問題は入試問題に近くなっていきます。実際に、入試問題の改題も多いです。難度の高い問題、手のかかる問題、時間を取られる問題を「捨てる」勇気や技術が必要な場面が多くなってくるのです。
 
そのことを春のうちに経験させてくれた、そんな問題だったと思います。1回1回のテストが勉強ととらえて、経験値を上げていきましょう。