各塾ともに、小4の授業が始まってから3回から4回の組み分けテストが終わった時期ですね。

順調に学習は進んでいますでしょうか。

 

受験勉強が本格的に始まって3ヶ月。この時期の学習方法がこれからの学習の基盤になります。

今回は、これから伸びる子にするための学習方法をお話ししていきます。

今回は、「基礎学習の大切さ」について、次回は「応用学習の大切さ」について書いていきます。
 

□基礎学習の大切さ

 「基礎学習とは、読み・書き・そろばん(計算)」のことです。

それぞれにてついてお話ししましょう。

※“読み”について

音読・黙読ともに大切なのですが、これらの読み方の形態への注意だけではなく、

精読の習慣に目を向けることで、成績アップのきっかけになることが多いのです。

例えば、国語の読解問題において本文を読む習慣が身についたにも関わらず、

点数が伸びない子が多くいます。

必要なところに傍線がちゃんと引いてある。

内容を尋ねてみるとほぼ理解できている、にもかかわらず問題が解けていない。

こんな状態の原因の多くは、問題文(設問)の読み方の甘さです。
 

「筆者が―②で述べた内容について、その理由となる事柄を文章の後半から探し、

文中の言葉を使って40字程度で答えなさい。」

この程度の長さの設問でもポイントは4つも有ります。

1「筆者が―②で述べた内容について、その理由」が質問ですから、

答えの文章の最後は「~だから。」となることを確認しておく必要があります。

2 「文章の後半から探し」とありますから、傍線の近くにあるのではなく

後ろの方にあるというヒントだととらえることが大切です。

また、傍線②の内容が論旨や主題に近い場合は、段落の構成上、

“起承転結”の“結”の段落に書かれているというヒントなのかもしれません。

3 「文中の言葉を使って答えなさい」の意味を理解することです。

書き方の指示は、大まかに次の3つです。

 ・「抜き出しなさい」は文字通り、本文の一部を一語一句変えることなく抜き出す必要があります。

 ・「文中の言葉を使って答えなさい」は、文章中にほぼそれらしい答えがありますが、

「そのまま抜き出すのではなくて、順序を変えたりつながりを変えたりして分かりやすい文章にしなさい」

という意味です。

 ・単に「答えなさい」や「まとめなさい」は、自由記述ということになります。

文章中から言葉を探してくるだけではなく、適切な言葉を頭の中からひねり出す必要があります。

4 「40字程度」という字数制限を確認する必要があります。

字数制限には、「40字以内で」「40字で」「40字程度で」の3つがあります。

 この問題は、「40字程度」ですから、少し短くても長くても良いことになります。 

このように、問題文を精読(深読み)する習慣を身につけるべき時期に入ってきました。
 

算数においても、読みは大切です。

“3行の壁”という言葉をご存じでしょうか。

これは、文章題において3行を超えると途端に解けなくなったり放棄してしまったりする子どもが

増えることを言いあらわした言葉です。

算数を正確に解いていく際に大切になるのは、

「何が分かっているか」(仮定)と

「何が聞かれているか」(結論)を

はっきりさせることです。

ところが曖昧に読んでいる場合は、仮定が3つ4つと増えてくるととらえきれません。

「太郎君と花子さんの分速が分かっているんだ」

「花子さんが6分早く出たんだ」

「花子さんは4分後に引き返したんだ」というように、

仮定を一つ一つ念押ししていくような読み方が大切になります。

そのような読み方をしていると、自然に下線を引くようになっていくものです。

そうなれば、仮定が4つ5つと増えてきても大丈夫です。
 

※“書き”について
書く作業は一生続きます。記録を残す、人に伝達する、思考をまとめるなど書く意味合いは大切です。

そして、学習においては効率が大切です。

“読みやすい文字や数字をスピーディーに書く”ことが大切です。

それには、漢字練習や計算練習において、読みやすく書くことを意識してやっていく必要があります。

式を書かなかったり、板書を写し取らなかったりという、一見面倒くさがり屋に見える行動の原因が、

実は書き慣れていないことであることは多いのです。

漢字や熟語の学習時には、必ず書きながら覚えること。

計算練習時においては、同じ大きさの数字を縦横そろえて書き並べていく。

そして、毎日続けることが大切です。
 

※“そろばん(計算)”

四則混合計算やその逆算が苦手な子どもが多い時期です。

四則混合計算は意識的に多く練習してください。

また、もっともっと基本的な計算も大切です。

例えば、25×16を計算する際に、そのまま筆算するのではなく、

25×4×4だから100×4=400とできるようなちょっとした工夫です。

それには25×2、25×3、25×4、25×5・・・・、

15×2、15×3、15×4、15×5・・・・、

12×2、12×3、12×4、12×5・・・・を覚え込ませてしまうことが有効です。

また、〇÷0.5は2倍することや、〇÷0.2は5倍することと同じになることも大切です。

毎日15分~20分程度の計算練習を続けてほしいのですが、

工夫の跡が見えるかどうか時々親御さんの方でチェックしてあげてください。

この時期に、計算のスピードをあげて正確さを高めておくことは、

今後の学習において大きなメリットになります。
 

このような基礎学習は、学習の基礎体力に当たるものです。

少量ずつ、でも毎日やっていかせるようにしてください。

次回は、「応用学習の大切さ」についてお話ししていきます。