月: 2013年8月

低学年の学習

「低学年のうちにどんな勉強をさせておけば良いのか」というご相談がたくさん集まりました。

今回は、小学1年生から3年生までのお子様について、受験学年を担当する立場から期待したい学力や能力についてのお話です。

・右脳教育

近年は、中学受験を意識して勉強を早くからスタートするお子様が増えてきました。

なかでも小学校就学前から低学年にかけて、いわゆる右脳教育的な学習経験をお持ちの方が多いようです。

私の経験では、右脳教育が受験勉強に大きな効果を挙げている例は少ないのです。

上手くいけば、早くから高い学習効果を得る成長を遂げることが期待できます。

一方で、この時期からお子様にとって勉強がノルマになってしまい、小学6年生になる前に疲れてしまうケースや、

直感的な学習が癖になってしまって落ち着いて考えることが出来なくなってしまう例も多くありますので、注意してくださいね。

・低学年に期待したいこと

受験生をお預かりする立場から、小学3年生までにつけておいていただきたい力は以下の4つです。

・    言葉の力(大人の言葉、小学6年生までの漢字)

・    計算力(小数、分数の混合計算まで)

・    学習習慣(短時間でも良いので机の前に座って取り組む姿勢、1週間の学習サイクル)

・    好奇心(理科、社会は好き嫌いで学習効果が大きく変わります)

これらの力がついていれば、受験に直結する技術の勉強は小学4年生からでも遅くはありません。

算数に関して言えば、受験技術の勉強よりも、最近は低学年化が進む「算数オリンピック」のような思考力系の勉強が適しているでしょう。

国語なら活字に慣れ親しむこと、本を読むことが好きな子どもにしてあげてくださいね。
 

・褒めるなら低学年

低学年で勉強の楽しさを知り、成功体験を持った子どもたちは、高学年になっても勉強を嫌がることが少ないように思います。

この時期には、お父様、お母様に褒めてもらうことが一番のご褒美です。

褒めてあげた分だけ、どんどん次の成果をご両親に見せたい欲求が刺激されるようです。

小さなことでもその都度、達成出来たことを見つけて褒めてあげたいですね。
 

 

・勉強好きの芽を育てましょう

小学3年生頃までは、素直にご両親の期待にこたえようとがんばる姿を見せてくれます。

たとえどんなにしんどいことでも、笑顔で取り組んでくれます。

それだけに、お子様にあった学習環境や、学習内容をしっかりと検討して渡してあげたいものです。

宿題や通塾がノルマになるような勉強ではなく、幅広く自然科学に興味が持てるような学習環境が準備されているお子様を見ると、

とてもさわやかな気持ちになり安心するのは、私だけではないと思います。

どんなことをさせてあげればよいのか迷ったときには、低学年のお子様こそ受験のプロの声もお聞きになることをお勧めします。

夏期講習が終わって(小5編)

近年算数のカリキュラムがじわじわと早まっています。

これまで一番ゆっくりペースだった予習シリーズが、大幅改訂されたことにより、大手塾はほぼ同じ進度で進むことになりました。

その結果、小5の夏期講習で入試直結の重要単元が目白押しになっています。

サピックス・日能研・四谷大塚・早稲アカなど、大手塾すべてに当てはまることです。
 
「割合」「比」「速さ」「図形(底辺比から面積比)」「図形(相似)」。

入試のメインテーマのそろい踏みです。
 
そして、ほとんどの塾で講習期間中の習熟度を測るテストが行われます。

そのテスト結果の見方をお話したいと思います。
 

正答率を用いての分析

志望校が御三家やそれに準じる学校を志望している場合

正答率50%以上の問題を、90%以上正解できているか。

正答率30%から50%未満の問題で60%正解できているか。

正答率15%から30%未満の問題で40%正解できているか。

正答率15%未満は無視です

御三家以外の上位校を志望している場合

正答率60%以上の問題を、90%以上正解できているか。

正答率40%から60%未満の問題で60%正解できているか。

正答率25%から40%未満の問題で40%正解できているか。

正答率25%未満は無視です
  

中堅校を志望している場合

正答率50%以上の問題を、70%以上正解できているか。

正答率40%から50%未満の問題で40%正解できているか。

正答率40%未満は無視です

これを単元毎に見ていきます。

正答率が高いのに間違っている問題がある場合は、それが正解できなかった理由を探る必要があります。

単純なミスなのか、それとも解き方が定着していなかったのかです。

単純ミスに見えて、原因が深いことことがありますので注意が必要です。

また、応用部分について上記の正解率に到達していない場合は、丸暗記の算数になっていないかどうかのチェックが必要です。

問題用紙に図や式がちゃんと残っているかどうかから始めてください。

計算だけがあちこちに散らばって書いてある場合は要注意です。
 

どれかの単元が、理解し切れていないとわかったら。

9月第1週までに、夏期講習テキストの例題や基本問題を使って復習させてください。

その際、お子さんを先生役にお母さんができの悪い生徒役になっての「家庭内ミニ授業」をお勧めします。 

今なら間に合います。(関西限定)

今回は、まだ名門指導会にアクセスいただいていない受験生をお持ちのご家庭へのご提案です。

・志別は9月からが勝負
各塾ともに6年生の9月には志望校別特訓(以下、志別)が本格化します。

浜学園は、9月からコースが細分化し、希学園は、すでに始まっている志別の内容が入試問題レベルに引きあがる時期です。

日能研でも志別で扱う問題が受験校に即したものになり、入研でも受験校の過去問を扱うことになります。

いよいよ9月からが本当に志望校へ向けた勉強の始まりと言う訳です。

 

・馬渕教室は違いますね。

馬渕教室はやや異なります。

灘、東大寺、星光と言った、一部の学校以外は継続して受講可能な志別が無く、各校4回ずつの傾向対策演習の講座があるだけです。

ですから、馬渕教室へお通いで志別のない学校を目指される受験生は、今すぐに受験まで過ごせる志望校向けの学習の場を

見つけておきましょう。

大学受験同様に傾向と対策は重要です。

過去問を解いても、結果を検証して次へ生かして行く機会がないのは、もったいないですからね。

 

・相談するなら「今でしょ!」
例年、10月を過ぎてからも受験生の相談が飛び込んできます。

それまでは、「自力でなんとかなるだろう。」「名門指導会は最後の手段」と頑張ってこられるのですが、

成果が出ずに10月を過ぎてのご相談になってしまうようです。

しかし、塾は9月から志別の本格化で最終段階の調整に入っており、間に合わないことが多いのです。

お願いです、相談は今すぐに来ていただきたいのです。

 

・今なら間に合います!

10月にご相談にお越しいただいた場合、早くとも10月後半の指導スタートになります。

この場合、次のような不安材料があるのです。

①残り時間と学習の積み残し量が一致せず、受験までに片付かない。
②先生の空き時間が少なくなっており、ご希望に沿った指導時間をご提供できない。
③残り時間が少なくて指導機会が十分に取れず、十分な指導に至らない。

例年、10月以降の授業スタートでは、過去問を使った答案作成の練習の時間しか作れません。

困っていることが、それだけなら問題は無いのです。

しかし多くの場合、遅くにお問い合わせいただく方ほど内容は深刻で、弱点単元の指導や学習サイクルの見直しが

必要なケースが見られます。

もし今お困りならば、すぐに名門指導会へ連絡をください。

9月の最初から指導を始めることができると、受験に間に合う可能性が飛躍的に大きくなるのです。

(都関)

2学期以降の小6の学習

前回は、夏の授業の復習についてお話ししました。

今回は、2学期の平常授業や新たに始まる志望校別日曜特訓の使い方についてお話しします。

 多くの塾では、夏期講習から問題の種類が変わりました。気がつきました?


特に、講習内の復習テストや演習問題です。問題文が長くなり(字数が多くなり)ましたね。

内容も、条件の数が増えたり複雑になったように感じませんでした?

そうなんです。この時期からは、実際の入学試験を想定した問題に変わります。

これまでは、「この問題の解き方を知っていますか?」という趣旨の問題だったのですが、

それが、「あなたはこの問題の解き方を見つけることが出来ますか?」という趣旨に変わります。

特に難関コースではそうなりますし、今後の模擬試験では後半の難問部分は間違いなくそうなっていきます。

 

そのような問題を前にしたときの、気持ちの持ちようのお話です。

これまでは、「これは、難しそうだから演習の後の解説をしっかりと聞いて、家に帰ったらしっかり復習しよう」

と自分に言い聞かせることが正しい行動でした。

でも今後はそうではありません。「今、目の前の問題を何とか解いてみせる!」と決心することなのです。

「あなたは、この問題の解き方を見つけることが出来ますか?」という問いに対して、解説で教わった解き方を使って復習しても、

解き方を見つける力は身につきませんね。
 

難しそうで、面倒くさそうな問題を前にしても、より集中力を高め、「なんとしても解いてみせる」と決心することが大切なのです。
 

入試本番の問題は、受験校レベルが上がれば上がるほど初見の問題が増えます。

これまでにやったことがないような問題である可能性もあります。

でも、条件はみんな同じです。ある特定の塾の生徒に有利なようにはなっていません。

受験生全員、「こんな問題これまでにやったことがないや」と感じているのです。

そのときに、「なんとしても解いてやる!」と決心して集中力を高めることが出来る子と、

途方に暮れてしまう子の差はとてつもなく大きいのです。
 

さて、「何としても解いてやる!」と決心したとしても、解く糸口が見つからなければ一歩も進めません。

そのようなときには、「何かを書いてみる」ことをやってください。

「条件を書き抜いてメモしてみる」

「数字を書き抜いてみる」

「題意に沿って何個か計算をしてみる」

「題意に沿って何かを動かしてみる」

これまでは問題文をしっかり読めば、何を書けば解けそうかがおぼろげながらでもわかる問題が中心でした。

ところが、それがわからない問題が増えてきます。

「何としても解いてやる!」と決心することも、何かを書いてみることも練習が必要です。

難問に当たる度に、「良いチャンスだ」ととらえて挑戦してください。

9月を迎えるにあたって(関西限定)

今年の夏は、大変な暑さになりましたね。

みなさん体調を崩さずにこの暑さを乗り切られることを祈っています。

ちなみに私は炎天下を歩き回って、1度ダウンしてしまいました。

9月には、気候が少しでも楽になるといいですね。今回はその9月の話題です。

 

9月には勉強できない!

夏休みには夏期講習会もあり、低学年のお子様も普段に比べて学習時間が増えていたことでしょう。

受験生ともなれば、普段の2倍の時間ではすまないでしょうね。みんなよくがんばりました。

9月になると、2学期が始まり夏休み前の生活にもどります。

このとき、急に勉強時間が短くなったような錯覚が生まれます。

また、2学期には運動会やその練習、遠足、文化祭と言った学校行事のために時間も体力も取られてしまいがちです。

そして「勉強時間が無い!集中できない」と不安になってしまうことがよくあるようです。

 

まずは冷静に

冷静に考えるとこちらが普段の学習サイクルなのです。

塾の宿題が消化できるなら、一安心。・・・ですよ。

特に受験生は夏休みの間に、広範囲の復習や過去問演習など塾の宿題以外にも手をつけていたはず。

その時間がなくなるのは当然です。

 

何が出来る?

さて、それでも夏休みの大量演習により身につけた力でもう一歩先に進みたいのが人情。

せっかくの機会を逃したくないですよね。放置すれば元の木阿弥。

何が出来るかは、どれくらいの時間を使えるかにもよります。

学校行事や習い事、模試の予定をリストアップしましょう。運動会の練習で帰宅が遅くなることも想定されます。

並行して、「今、したいこと」のリストも作ります、

空き時間数と、したいことの優先度により、9月に実現したい目標を設定して下さい。

 

悩ましいですね。

空き時間はほとんど無く、したいことは山済み状態ですか?

もしそうなら、実践したときのメリットとディメリットを考えてみましょう。

実践することで手に入ること、実践すると起こりそうな不安。

その不安が致命的なものになりそうなら、やらないでくださいね。

後は、メリットとディメリットの大小、多少で判断できますね。これらもリスト化するとわかりやすいですよ。

 

安心してください

時間が無いのはみんな同じですから、限られた時間を生かすことが大切です。

そのためには、不安な気持ちで勉強を進めるのはよくありません。

なにかしらうまく行ったことに価値を見いだして安心感を持って、安定して過ごして欲しいのが9月です。

不安があれば、塾の先生や受験のプロに相談して解決したいですね。

普段以上に先生方のお世話になる時期だと割り切っていきましょう。

(都関)

夏期講習が終わったら(小6編)

長かった夏期講習があと10日ほどで終了します。

今年の夏は本当に暑くて、講習に通うお子様方の健康管理も大変だったのではないでしょうか。

さて今回は、夏期講習が終わってから9月の各塾のテストまでにやるべきことをお伝えしたいと思います。

まずは、体力の回復です。毎日の宿題で睡眠時間を削るような日々を過ごした人も多いと思いますが、そうならなおさらです。

睡眠時間を元に戻し、毎日を規則的に過ごすように心がけてください。

次は、夏期講習の復習です。

夏期講習で本当に多くの問題を解きました。また、知識の確認テストもあって多くのことを覚え直したことでしょう。

それらの中から、「これは復習しておかなければ」というものを少量選び出します。

たとえば、教科を限定しても良いですし、各教科の中からピックアップしても構いません。

算数では、「速さ」や「場合の数」が候補に入る人が多いのではないでしょうか。

理科では、「水溶液や中和の計算」や「月」、「電気や電流」も苦手な人が多い単元です。

選び出した単元を、夏期講習で使用したテキストを用いて復習して欲しいのです。

 この時期なっても苦手な単元として残っている訳ですから、今後入試までに何度か復習すべき単元だと言えます。

その手始めにやっておいてください。
 
夏期講習中に、何度か確認テストか復習テストがあった場合は、その間違い直しも大切です。

単純ミスでの失点の場合は、「どんなミスをしたのか」と「何が原因でそのミスは起きたのか」を子供なりにとらえさせていくことが大切です。

理解が十分でないことが原因での失点は、その範囲を夏期講習のテキストを使って復習しましょう。
 

そして、2学期の塾の授業が始まる前にお子さんに伝えて頂きたいことがあります。

それは、

「これまでは学力を高めることが目標だったけれど、これからは得点力を高めることが目標に代わる」ということです。

学力と得点力の違いについては、今後いろいろな機会にお話ししていきたいと思います。
 

転塾を決めた方へ

前回は、転塾をするかどうかの検討についてお話ししました。

今回は、転塾を決めた時に気をつけたいことをいくつか。

 

・何を解決するための転塾ですか?

転塾することを決めたのには理由がありますよね。

何であれ、これまで通っていた塾では実現できないことなのでしょう。

まず、転塾によって解決したいことを絞り込みましょう。

目的が明確でなければ、お子様にとっても新しい環境を生かすことは難しいものです。

転塾先となる塾のどこに魅力感じたのかがヒントになるでしょう。

そして、実現したいが出来ていないことが何なのか、なぜ出来ていないのかを検証してください。

 

・問題解決には何が必要?

さて、思うような結果が出ない原因について、いくつかの仮説が立ったとしましょう。

次に考えたいのは、その問題を解決するために必要な力です。

どんな力が有効で、その力を持っているのは誰かが、明らかになっていますか?

思うように勉強の結果が出ないことを「塾のせい」や「お子様のせい」で終わらせてしまうのは、成長の芽を摘んでしまうようなものです。

課題の量の適正化や学習サイクルの見直しなど学習環境を整理することも視野にいれて改革をしましょう。

 

・新しい塾に期待すること

新しい塾を決めるきっかけは何だったのですか。

志望校別特訓の資格が取りやすそうなこと?

お子様の学習の管理を塾が面倒をみてくれること?

最初の印象に戻ってください。

それが、新しい塾の強みであり、克服したいことでもあるはずです。

塾の強みを生かせる具体的な目標をたてることが大切ですね。そして締め切りを作ることをお忘れなく。

 

・成功に向けて

課題や学習環境を適正化して、塾に期待できることをリストアップすれば、実践しましょう。

すぐに成果が出ない場合もあります。新しい塾のシステムになれることやカリキュラムの違いなど、環境由来の問題があるためです。

待てばよいのか、何かしら対策を取るべきなのかを判断しながらの微調整が求められるので、常に相談のできる窓口を準備しておきましょう。

このときの相談先は「受験のプロ」が適しています。

お子様の個性を考慮して、客観的な判断をすることが必要だからです。上手くいった先輩ママの例がお手本になるとは限らないのです。

特に6年生の夏以降の転塾は、塾側の受け入れ態勢がなくなるくらいリスクが伴うものです。くれぐれも経験豊富で

情報量の多い相談相手を見つけておいて下さいね。

お困り相談 解答時間内に問題が解ききれない part5

今回は、スピードアップの4番目、「考えるスピードを速くする」ことを考えてみます。

これも、無闇に速くさせようとすると子供特有の「出まかせ」思考になってしまいます。

  出任せ思考とは、問題文を一瞥しただけで、題意も理解せずに答えてしまうことです。

(こうなってしまっている子供が多いことを、今私は一番心配しているのですが。)

ですから、考えることを直接の方法で速くすることを考えずに、周辺部分を速くすることで、

全体を速くすることを目指したと考えて指導しています。

その一番の肝となるのが、「関連づけのある知識を、子供の頭の引き出しにきっちりと収納させること。」です。

 

子供の学力(大人がいろいろ考えるときもそうですが)は、「気づき」の力に左右されます。

「気づき」とは、目の前にある問題を解くために必要な知識や考え方を、過去に頭脳に収納されたものから探し出してくる力です。

これは、覚えた事柄の量にも質にも関係があります。

必要なことは、全部覚えなければいけません。しかも、それを使える状態にして収納していく必要があります。

断片的な知識を数多く覚えるのではなく、知識同士をつなげて理解して、その上で覚える作業を取り入れると、

テストの時にすぐに使える知識になります。

 

頭の引き出しの中が雑然としているより、ちゃんとカテゴリー分けされて、

探し出しやすい状態になっている方が、速く探し出せるというわけです。

 

それでは、知識を関連づけたりカテゴリー分けして覚えて行くにはどうしたらよいのかということになります。

原則は、物事を理解するときに、「なぜそうなる」「だったらどうなる」を考えさせることです。

これは、これまでの学習に比べて少し時間のかかることです。

そうすると、速く解くために、ゆっくり考えよう????という禅問答のような答えになってしまいます。

普段の学習において、「なぜそうなる」「だったらどうなる」までをじっくり時間をかけて理解し覚えることで、

テストの時に解くのが速くなっていくと理解して頂ければありがたいのです。

 

 

ただ、物事を関連づけて理解させて覚えさせることは、教える側からすると至難の業です。

経験が少なく、知識も少ない、そして理解できる語彙も少ない子供達が、過去に収納した知識に結びつけられるように

説明していく必要があるからです。

たくさん覚えているんだけれど、それがテストの時に使えないという状態を、至急変化させるためには

抜きん出た力量を持つ第3者が必要になります。(手前味噌になりますが、私たちはそれを目指しているつもりなのですが)

 

 

考えるスピードアップの2番目は、読むスピードアップです。これは、このpart2をお読みください。

そして、3番目は、聞くスピードアップです。早い話しについて行けること。

簡単に言いますと、塾の先生の早いしゃべりを理解することです。

(子供達が接する大人達の中で、塾の先生の話し方が一番早いと思います)

2番目の読むスピードアップと3番目の聞くスピードアップによって、

内語(自分の頭の中で使っている言葉)のスピードアップが無理なく図れることにになります。

 

 

「解答時間内に問題が解ききれない」という症状について、part1からpart4まで読んで頂いてどのようにお感じになったでしょうか。

スピードアップのためというわずか1つのことをやるためにも、日々の学習から見直していく必要があること、

そして、いろいろな事柄が関係し合っていることがおわかりいただけたことと思います。

6年生での転塾 part1

6年生の夏には、「志望校を目指すクラスに参加できない」ことを理由に、転塾を希望する相談を頂戴する機会が増えます。
そこで、6年夏からの転塾について、お話しましょう。今回はその前編です。

・なぜ6年の夏から転塾するの?

転塾を考えるきっかけの多くは、志望校別特訓(以下、志別)について「通っているA塾では参加資格がないが、

別のB塾では参加させてくれるそうだ。」

「通っているA塾では参加資格を取るのが難しいが、別のB塾なら取れるかもしれない。」と言った理由です。


 

・志望校別特訓への参加資格って何?
各塾とも、卒業生の豊富な模試データをもとに、志別のコースに参加する資格基準を公開模試の偏差値により設定しています。

ですから、参加資格にあたる成績を達成できないお子様が、その塾から合格した実績はかなり少ないと思ってください。

参加資格に足る成績を取ることは、志望校合格の必要条件と言えるでしょう。

 

・志望校別特訓への参加は不可欠なの?

しかし、実績を作ることと、志別に参加することは同じではありません。

どの塾でも志別の対象校となっている学校はごく一部の超有名校だけでそれ以外は、複数の対象校を持つ合併クラスか、

コース自体が存在しないのです。

 

単一の対象校を持つ場合は学習内容も特化され、参加する意味があります。

しかしそれ以外は、お子様が必要とする学習内容に特化して勉強するわけではないために、

志別への参加が合格への必要条件だとは言い切れません。

 

・単一の対象校を持つコースなら参加が必須?
それでは、単一の対象校を持つコースなら参加が必要なのでしょうか。

そのコースにクラスが3つあるとしましょう。

上位クラスから順に合格者の占める割合は、80%、40%、0%が平均的な値だと思ってください。

もし参加できたとしても2組の上位に位置しなければ合格の可能性は低いのです。

しかも、志別クラスは志望校へ向けた傾向、対策授業であり、成績向上を目的としたクラスではありません。

受講をしても、上位クラスへ上がるための指導はないものと考えるのが妥当でしょう。

クラスアップには自助努力を期待されるのです。

志別3組で受講をすべきか、自分のための学習時間を確保して成績向上を目指すべきか、悩ましい選択ですね。

資格は無いが今の志望校を変える選択をしない場合、私なら10月までは後者をお勧めします。そして、11月に受験校変更も含めて決断です。

 

・塾の先生が絶対参加を求めるのはなぜ?

塾の先生方が志別への絶対参加を求める理由は、主に次にあげるようなことです。

①他の塾へ行かせないため。

②自分達が受験まで寄り添うことで生まれる先生自身とご家庭双方の安心感。

③志望校別特訓で子供達のモチベーションを引き上げるため。

④営業努力


この中で、納得できそうな理由は③くらいでしょうか。

 

・転塾しますか?
このように志別の参加資格となる成績を実績として残すことは重要ですが、9月段階で余裕がない場合には

志別への参加が合格に必要だとは思えません。

さらに、今、成績が足りないことには何か改善の余地があるはずなのですが、それが十分に検証されていないケースも多く、

先ずは成績アップのために必要なことを検証したり、実践しうたりしないで転塾しても、

転塾先でも成績が伸びなかった例も数多く発生しています。


とても大切な問題ですから、受験のプロを交えて十分に検討をしてから決定をしてくださいね。

それでも、やっぱり転塾を選ぶ方には次回、転塾の際に気をつけたいことをお話しましょう。

お困り相談 解答時間内に問題が解ききれない part4

□書くスピードのアップ□


間違ったスピードアップ方法は、子供特有のいい加減さを助長したり、ミスを誘発したりします。

スピードアップは、あくまでもテストの点数を上げるための手段として考えたいと思います。
 

必要なことを漏らさずに書きながらも不要なことを書かないことが理想ですが、それを子供に要求するわけにはいきません。

試行錯誤の途中経過は、後で見ると不要なものですが、正しい解き方に到達するために必要であったものです。

ですから、たくさんのことを素早く書くことを目指すべきだと思います。

そのために必要なことは、下の4つだと考えています。


1 手先の器用さ

2 正しい鉛筆の持ち方

3 書くスペースの事前予測の練習

4 たくさん書くことへの心理抵抗を減らす

1の「手先の器用さ」は、2の正しい鉛筆の持ち方につながります。

たぶん幼少時に、ものをつかむ・離す・回す・移動させる・投げる・置く、このような動作を通じて身につけるものだと思うのですが、

近年手先が不器用な子が多くなっているように感じます。

鉛筆を持ち始める以前に、遊びを通じていろいろな作業をさせてあげてください。

そして、いよいよ鉛筆を持つ年齢になったら、小学校1年生の教科書に出ている正しい持ち方を参考にして、練習させてください。

シャープペンシルはしばらくは禁止です。

親指が被さる、鉛筆を握って書く、鉛筆の頭が向こうを向く、これらは良くない持ち方です。


受験間際の小6生は、この段階で鉛筆の持ち方を修正するのは慎重さが必要です。

原則、入試が終わってからの方が安全です。

小5以下の場合は、今すぐ直してあげてください。

親御様自体が、正しくない持ち方をされていたり、正しい持ち方をご存じないことも多いと思います。

その際は、一緒に練習されることをお勧めします。

3の 「書くスペースの事前予測の練習」は、テスト時のスピードアップに有効です。

計算を始めて見たら、どんどん行が増えて下の問題文と重なってしまって、書き直す羽目になってしまった。

子供の計算を見ているとこんなことがよくあります。

このあたりから、この程度の大きさの字で書いていくと収まりそう。

このような予測をする習慣をアドバイスしてあげてください。
 

あとは、なんと言っても4の「たくさん書くこと」です。

字を早く書けない子は、だいたい字数の多い記述問題をいやがります。

また、「うちの子は面倒くさがり屋で」とおっしゃる場合も、ほとんど早く書けない子供です。

小2や小3の頃に、教科書の文章をそのまま写す「書写」も効果的です。

また、毎日の漢字練習や社会の暗記の際に、書きながら覚える癖をつけることで、少しずつ早くなってきます。

 


繰り返しになりますが、無闇にスピードアップを図ろうとすると、いろいろな弊害が現れます。

少しずつ少しずつ、自然に身につくスピードを大切にしてあげてくださいね。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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