月: 2013年7月

低学年の夏休みのすごし方(part2)

いよいよ夏期講習会がスタートしましたね。

夏の暑さに負けないように頑張ってほしいものです。

さて、今回も前回に引き続き低学年の夏休みの過ごし方についてのお話しです。
 

夏は暑い!

今年の夏も昨年同様、猛暑となりそうです。

特に気を付けたいのは、お子様方の体調です。

お弁当を2つ持って塾へ出かけることも珍しくありません。

食べ物が痛みやすくなるこの時期には、お弁当袋に保冷剤を入れるなど気を付けたいですね。

また、1食分は、後から届けてあげたり、お弁当屋さんを利用したり、

塾によってはお弁当屋さんと契約していて夕方のお弁当を準備してくれるところもあるので、工夫には困らないでしょう。

万が一体調不良になってしまったら、まずは回復を最優先に考えましょう。

塾を休みしてでも体調を戻すことをお勧めします。

抜けた授業はご家庭での対応となりますが、塾にも相談してみて下さい。

質問を受け付けてくれる場合があります。
 

5年生は6年生の予行演習を


6年生になるとまる1日の拘束が続くこともありますが、5年生の夏期講習は設定時間が少ないようです。

6年生になって、いきなり厳しい夏を迎えると体調不良を訴えるお子様もいらっしゃいます。

そこで、免疫をつけるためにも5年生の夏を6年生の予行演習と位置付けて、計画立てとその実践をお勧めしています。

学習時間の確保もできるので、一石二鳥です。

これが成功例です。


5年生の夏に、6年生を意識した過ごし方をして成功したお子様の例をご紹介しましょう。

このお子様は、起床、就寝を夏休みにも小学校の学期中と同じ時刻とし、

塾のある日には、午前中に2時間、午後には塾の夏期講習と平常授業を受けて帰宅後に1時間、

塾のない日には午前中に2時間、お昼間に2時間、

夕食後に2時間の勉強時間を計画し、実行しました。その他の時間は習い事や自由時間です。


また、夏休みまでに40日分の学習カレンダーを準備しましたが、この準備には私も監修役として、ご一緒させていただきました。

目的は、6年生と同様に毎日、たっぷり学習機会を作り、勉強するのが当たり前の環境にすることと、その環境に慣れることです。

その結果、夏休みを機に、やや苦手だった算数、理科の成績が高め安定の兆しを見せ始めたのです。

さらに6年生の夏には、迷いなく40日分の学習カレンダーを作り、必要な講座を絞り込んで受講すると同時に自分の為の学習機会を作り、

実践することに成功しました。

9月には希望する中学校の志望校別特訓に参加する資格も得て、合格まで順調な受験生活を送られたのです。

既に夏期講習は始まっていますが、まだ遅くはありません。

夏休み1週目は8月を活かすための準備期間にもあたるからです。

5年生の皆さん、6年生の夏休みの成功は今年からの準備にかかっていますよ。

もちろん、3年生、4年生の方も来年の夏を意識して、この夏を過ごすことをお勧めします。

 

(都関)
 

お困り相談 解答時間内に問題が解ききれない part3


今回は計算のスピードアップについてお話しします。

計算処理は、いくら速く解くことが出来ても正確で無ければ意味がありませんから、

「正確さ」と「スピード」の両面を見ていく必要があります。

1 数のユニットをたくさん覚えて使えるようにする。


 数のユニットとは、たとえば、10にするためには4だったら6、

15にするなら7だったら8というような補数。

また、15分が4つ集まれば1時間だというような生活のなかでよく使う数字。

また、半分は1/2と同じ、1/8は0.125というような分数と小数の関係。

これらを意識的に覚えていくことが大切です。

45°の扇形の場合、45/360を約分してやっと1/8が出せる子と、45°がすぐに1/8になる子とはスピードと正確さが大きく異なります。

2 意外な盲点になっているのが9・9です。

どの子に聞いても9・9は大丈夫と言いますが、ほとんどの子が充分に慣れているとは言えません。

かけ算は良いけれど、割り算になると急に遅くなる子のほとんどは、この9・9の不慣れです。

特に7の段と9の段が要注意です。

ほんのわずかでも9・9のミスがあるようでしたら100ます計算に戻られることをお勧めします。

小6生であっても有効です。小6生だと1ヶ月、小5生だと2~3ヶ月、小4生なら半年ぐらいの期間が良いようです。

3 数字を短時間頭の中にとどめておくという短期記憶を鍛えておくことは、スピードと正確さ両面において非常に有効です。

数字の写し間違えによるミスがある場合はなおさらです。

これは、短時間のうちに、記憶された数字が別の数字に入れ替わってしまうという、子供にはよくあるミスですが、

短期記憶を鍛えることによって簡単に改善できます。

2桁×1桁の暗算訓練がそれに当たります。お母さんは適当に思いついた2桁と1桁をお子さんに投げかけ、

お子さんはそれを書き取らずに頭の中だけで計算する。

たったそれだけのことですが、実際にやってみるといろいろな数字を同時に覚えておかなければいけないことに気づかれると思います。

元の数字、繰り上がった数字、繰り上がったために増えた数字・・・。是非活用くださいね。

4 暗算と筆算のバランス取りも大切です。計算ミスがあるからと、何から何まで筆算を要求されるお母さんがいらっしゃいますが、

それは間違いです。

暗算の正確さを高めることが正解です。

5 常に計算の工夫をする気持ちを持たせることも大切です。

分配法則や結合法則を利用することや、数のユニットを利用することを意識させて欲しいのです。

たとえば、25×12を計算させるとほとんどの子供は筆算をしますが、これを、25×4×3として、100×3=300とやる子もいます。

スピードに大きな違いが現れます。

これ以外にもいくつかありますが、それぞれお子様の状況を見ながら指導していくことになります。

具体的な指示をせずに、ただ、「計算を速くしなさい」と言うだけでは、計算ミス多発の子どもを作ってしまいます。

また、闇雲に多量の計算練習をさせると計算嫌いになってしまうこともあります。

 

うちの子の計算が遅い原因は何だろうと、しっかりと分析をしてから指示を与えてあげてくださいね。

次回は、書くスピードアップと、考えるスピードアップについてお話しします。

低学年の夏休みのすごし方(part1)


このところ高学年向きの話題ばかりでした。


今回は、低学年向けのお話をしましょう。気になる夏休みの過ごし方について、「その1」です。

・夏には知的な経験をたくさんさせてください。

6年生になると各塾ともに長時間、長期間の拘束がかかることは皆さんもご存知の通りです。

それに比べると、5年生の時間割はあっさりとしていることが多いようです。

それ以下の学年では、もっともっと自由な時間が増えます。

お母様方の中には、もっと面倒をみて欲しいとおっしゃる方も少なくありません。

塾の掛け持ちをお考えになる方も多いのですが、机に向かう課題消化だけでは今後に伸びる頭を作るためには不安があります。

今後に伸びる頭の栄養は生活知識です。生活の中で知的好奇心を刺激する体験です。


夏休みだからこそ触れ合うことの出来る自然や史蹟を見逃す手はありません。

理科や社会は興味の有る無しで、学習の成果が大きく変わる科目です。

夏の経験を知的財産にするための事前準備が、お子様を理科好き、社会好きにすると言っても過言では無いのです。
 

・決め手は事前準備

神戸在住のご家庭の例をご紹介しましょう。

お子様が3年生、4年生の頃には、青少年科学館へ、人と自然の博物館へ、水の科学博物館へと足しげく通われたそうです。

リニアモーターの見学には前夜にこっそりと電磁石を勉強し、丹波竜の化石では発掘現場をカーナビに登録、

お約束のインターネットで関連記事を読んでおくなんてことは全てお父様の役割でした。

事前に準備していたため、お父様は現場での解説をお子様に説明したり、解説員に質問までできるようになっていたと言います。

3年生の時にそんなお父様の姿を見て育ったお子様は、4年生になると自分で質問をするようになっていたのです。

そうやって好奇心を満たされることが、教わったことを身につけることにとても役立っていたようです。

たくさんの知識を身につけたお子様は、夏休みの自由研究には困るとが無かったとおっしゃいます。

ごく当たり前に下調べをしておくことが、ご家族でのお出かけを実り多いものにしてくれていたのですね。


・その子が6年生になって

私が始めてこのお子様とお会いしたのは、小学5年生の2月でした。

塾では6年生に進級するタイミングです。

最初の印象は、優秀な理科の先生といった感じです。

私が知っている優秀な理科の先生の多くは、豊富な知識を持ち、それを惜しげもなく披露することが大好きなのです。

まさしくそんな姿のお子様を見て、成績がすぐに伸びるであろうことは直感できました。

予想通り好奇心を満たしてあげる授業で、算数の成績も3ヵ月後には

公開模試での偏差値が50台前半から60程度まで一気に上がったのです。

基礎知識を原理原則から興味を持って接して身につけた知識おかげで、

その後も成績を落とすことなく受験を迎えることが出来ました。
 

この理想的なお話はきっと、机に向かうだけが勉強だとは考えておられなかったご両親のセンスの賜物でしょうね。


ご紹介した例を参考に、皆さんもこの夏を実り多いものにしてくださいね。

(都関)

 

解答時間内に問題が解ききれない。part2

スピードアップ4つの要素についてお話をしていきましょう。

1つ目は、読むスピードアップ。

黙読をして、頭の中で意味としてとらえられるまでにいくつかの変換作業が行われます。

目からは文字も画像情報として取り入られます。

その残像が残っている間に意味に変換されることになるのですが、多くは一度頭の中の音声に変換されてから意味に変換されるようです。

多量の文献を読み込むような日々の訓練を重ねていると、音声に置き換えずにいきなり意味に変換すること可能になるようです。

小6生あたりになると、理解しやすい文章や語句はいきなり意味情報に換わり、

それが出来なかった部分は音声情報に一度置き換えるという高度な作業が出来るようになります。

(焦っていると、意味情報に変換することが出来ないので要注意です)

 ですから、読み間違いをせずにしかも速く読めるようにするためには、

1 画像として読み取るスピードアップ。(今読んでいる部分だけではなくて、その先も視野に入れて、その残像を利用する)

2 音読するように黙読する練習。

3 理解するスピードと視線の動きを合わせる練習。

この3つが大切になります。

 

これらを、普段の勉強の中に何気なく入れ込んでいくことが大切です。

そうでなくても毎日が忙しい受験生です。速く読む練習のためだけに時間を使うわけにはいきませんね。

 

今、これを読んでいただいている方のお子さんが、「読み間違いによるミスが多い」状態なら、

2の音読するように黙読をする訓練をお勧めします。簡単で非常に効果的です。

 

お子さんに、「音読するように黙読してごらん」とアドバイスをし、数回だけ視線の動くスピードをチェックするだけです。

1と3については、お子さんによってやり方を変えていく必要がありますが、共通するのは視野を広めに取ること。

言い換えれば姿勢を良くして距離をとることです。

 

それ以外については、たとえば

・なぞらせながら音読

・なぞらせながら黙読

・なぞっている鉛筆の動きを速くする練習

などなど、子供の状況によって使い分けていく必要があります。

 

次回は、計算のスピードアップについてお話しします。

 

灘中合格に向けて part3( 関西限定)

これまでの2回は、灘中合格に向けて各塾の特長を踏まえてアドバイスを差し上げました。

今回は、ご相談をよく頂戴する話題から「過去問をいつはじめるのか」などをお話しましょう。

 

・過去問はいつするの?

灘中の入試問題は、各科目とも他校の入試問題とは比べ物にならないほど多くの知識を求められます。

一方で、過去に自校で出題した問題と同系統の問題が出題される傾向が強いともいえます。

そこで、灘中合格に向けては過去問の徹底演習が欠かせません。

ところが、多くの塾では夏休みを挟み、2学期になると学習内容が難しくなり、今まで以上に学習時間がタイトになると考えて間違いありません。

そこで例年話題になるのが、「過去問に取り組む時期とその時間確保について」です。

演習量を多くとるためには、今すぐにでも取り組みたいですね。

特に算数、国語では1日目と2日目で全く傾向の異なるテストとなることはご存知のとおりで、事前準備にも時間がかかるのですから。

 

・過去問は何点とればいいの?

知識勝負となる算、国の1日目は、夏休み前に5割程度の得点は欲しいですね。

夏休み以降は2日目の対策が待っているからです。

特に9月以降は、塾での学習内容が2日目対策となる傾向が強いのです。

2日目の対策は、塾の勉強と並行して出来る分、1日目の対策に時間がとりにくくなります。

そこで、9月以降の1日目対策は時間配分の最適化を目指して、過去問を使ったテスト形式の演習程度にとどめておけるように準備しましょう。

理科や算、国の2日目は今のところ4割の得点が出来れば可能性は十分にあります。合格を可能にするには努力と工夫が必要ですが。

 

・でも時間が無い

そうですよね。これからは塾が求める勉強をすべて消化するとなると、時間がどんどん無くなっていきます。

しかし、灘中の入試問題には必ず触れておきたいのです。

優先順位をつけましょう。お子様ごとに充実したい学習内容は異なるので、優先順位については受験のプロに相談してください。

優先順位をつけて、塾の勉強にかける時間を短縮することが目的ですから、塾の先生以外でプロの意見をお聞きいただくのが良いでしょう。

たとえば、すでに公開テストでの合格可能ラインに到達していれば、平常時の本科授業の優先度は低いので欠席することも

視野に入れることが可能です。

例年、2学期になると平常やベーシックと呼ばれる本科授業をお休みされる方もいらっしゃいます。

合格ラインにまだ到達していないお子様は、11月までは本科授業も大切です。

しかし、飛躍的に難度が高い「最高レベル特訓」などは省いて、過去問の演習に時間をあてることが現実的です。

 

・今、絶対にしておきたいこと

受験の天王山といわれる夏休みを有効利用するための事前準備です。

夏休みには、塾の勉強しか出来ないかもしれません。だからこそ、成果を出すためには「何を勉強するのか」を明確にして臨んでください。

ただ夏期講習会に通うだけでは、弱点の確認にしかなりません。

塾のカリキュラムとお子様の弱点を照らし合わせて重点的に学習する「問題」まで予定しておくことが出来れば理想的です。

さらに夏休み40日間分の時間割を作っておけば、独自に勉強したい内容にあてる時間も見えてくるものです。

 

これからは、時間管理、学習内容の管理と手間のかかることがいっそう増えそうですね。

でも、灘中の合格を取るためには必要なこと、と割り切ってください。関西で唯一、全国区の最難関校なのですから。

(都関)

お困り相談 解答時間内に問題が解ききれない part1

 どの塾でもテストの時間は短く、問題は多いですね。

ですから、時間内に問題を解ききることは非常に難しいことだと知っておいてください。

「解答時間内に問題が解ききれない」という相談は、

「もっとスピードアップさせる短期間で可能な方法を教えて欲しい」

という意味だと理解しています。

でも、実はそんな魔法のような方法は存在しないのです。

そればかりか、無闇にスピードアップを図ろうとしてミスが激増したり、応用問題に取り組む気持ちを失ったりして、

「解答欄はほとんど埋まるのに×ばかり。

家で解かせるとほとんど合うのですが。」というお悩みの相談がどんどん増えてます。

 

大雑把に言わせてもらえば、着実に丁寧に解くことを繰り返すなかで、自然にスピードが速くなってくるのを待つことが最善の方法です。

そして、自然に無理なくスピードアップを図るための能力アップとスキルアップを、日々の訓練としてやっていくことが大切だと考えています。

 

この方法には大きく分けて4つのカテゴリーがあるように思います。

1つ目は、読むスピードアップ。

2つ目は、計算のスピードアップ。

3つ目は、書くスピードアップ。

4つ目は、考えるスピードアップです。

次回以降、この4つのカテゴリーについてお話をさせていただきます。

でも、ここでもう一度念押しをしておきます。

最優先すべきなのは、丁寧で確実な学習です。無理なスピードアップは逆効になりますから、親御さんの方でさじ加減をしてあげてくださいね。

 

灘中合格に向けて part2 (関西限定版)

今回は、灘中合格に向けての希学園と馬渕教室の使い方です。


 ・希学園
希学園では第3期よりクラス編成やテキスト内容が変わり、P灘コースへの参加が不可欠となります。

最高レベル演習も灘特訓に変わるため塾での学習内容が灘一色になると言えます。

しかし、灘中合格者数は30名程度にとどまります。

上記の講座が有益に機能しているとは考えにくいですね。

早い時期からテキスト内容が難しい、前半期にKコースのようなテストゼミが少なかった、など

灘中合格に向けて塾だけに頼り切れない面がありそうです。


特に過去問演習に力を入れたい灘中受験の場合、どこかで過去問を解き進めていく時間の確保が欠かせません。

このとき障害となるのが、面倒見のよさです。

イベントも含めて授業に参加しないと先生から圧力がかかり、宿題プリントの仕上げが先生の思い通りでなければ評価してもらえない。

このような環境で、自分のための学習時間を作るのはとても難しいと言えます。

ご家庭から事情を伝えて、塾での学習量の負担を軽減してもらうようにしてください。

このとき、どんな事情にするかは慎重に検討してくださいね。
 

・馬渕教室

馬渕教室では6年生から灘中受験に特化したNクラスへの参加が不可欠です。

Nクラスへの参加には資格テストがありますが、各校の校長推薦でも参加が可能です。

また、一度資格を得ると余程のことが無い限りクラス落ちもないようです。

他のコースに比べて、学習内容、量ともにかなり多くのことを勉強することを考えると、頻繁なクラス変動があると逆効果となり、

学力低下に繋がることになる点はご注意ください。


年間7回の灘中入試実戦テスト、入試練習会と灘中フォーマットによる模試では、実戦的な入試対策が可能です。

11月の第3回入試実戦模試では20位以内に入ることを目指しましょう。


Nクラスは他のコースに比べて拘束時間が長く、独自の勉強にあてる時間確保が難しくなっています。

手厚く指導機会が確保ざれていますが、単元別の学習内容が多く、過去問は自学時間で解き進めておきたいですね。


特に夏休みからはなかなか自学時間が取れなくなってしまいますから、6年生前半期からか過去問を解き始めておくことをお勧めします。

馬渕教室の公開テストの結果では同一中学校で比較した場合、高めの偏差値を求められます。

灘中合格を目指すなら偏差値70を目標にしたいですね。


また、低学年より算数の成績のみで評価される傾向が強く、3科目のバランスをご家庭で管理する必要があります。

4年、5年のN特訓は6年のNクラスとは異なり、灘中に向けた準備をする講座ではないことにも注意が必要です。

あわせて、6年生での他塾との掛け持ちも難しい時間設定になっているため、馬渕教室からの灘中受験では

低学年から各ご家庭で受験までの計画を立てて準備をし、早い段階で学力の完成を実現しておくことが求められます。

以上のように各塾で灘中合格を目指す場合の注意点が異なりますが、塾のカリキュラムだけでは成功が難しいことには変わりはありません。

4年生程度の早い時期から、お子様ごとに灘中合格に向けた階段作りをしておく必要がありますね。

(都関)
 

暗記したことをすぐに忘れてしまう。Part2

今回は、子供の特性と暗記についてお話ししたいと思います。

人には、5感が備わっています。視覚・味覚・聴覚・触覚・嗅覚。

このうち特に学習に関係が深い3つの感覚、視覚・聴覚・体感覚について考えてみたいと思います。

この3つの感覚は、人によって強弱が異なっているようなのです。

 

たとえば、「速く動く」ことを想像した場合、ある人は流れる景色を想像します。

また、別の人は、耳元を通り過ぎる風の音をイメージし、また別の人は顔に当たる風の気持ちよさを感じます。

「A君はB君の2倍の速さで・・・・」という問題があったとして、子供達は語句の意味だけでは無く、その状況を想像することによって、

A君の方が速く目的地に着くことを当然のこととして感じることが出来ます。

同じ問題文を読んでも、一人一人の子供が感じていることが違うのです。ここに覚えさせ方の難しさがあります。

そして、もう一つ考えておくべきだと思うのは、覚えるべき知識はほとんどの場合言語を媒体としています。

イメージだけを覚えていても目の前のテストでは利用できません。

 

問題文を読んで、題意を理解する一連の頭の動きを想像して見ると、不思議なことがたくさんあります。

まず、文字を画像情報として取り入れ(視覚)、その残像が消えないうちに文字としてとらえ、その次に文字の意味をとらえます。

 

また、授業を聞いている子供の頭の働きを想像しても同様です。

先生の話は、まず音として大脳に運ばれます(聴覚)。この段階では言語音声はまだ音楽と同じです。

言葉がわからない外国の音楽を聴いているのと同じだと考えておけばよいと思います。

その音声情報から、単語の音素を見つけ出し、日本語の語順に従って文章を作ります。その後に意味を理解することになります。

 

「問題文を読まないから、そんな間違いをするんだ!」とか、「ちゃんと授業を聞いていないから理解できないんだ!」

と叱ってみても、当の子供達は、「問題文は読んでいるよ!」「授業はちゃんと聞いているよ!」と思っています。

でも、子供達の「問題文は読んでいるよ!」は、問題文は見た、画像情報としては隅から隅まで取り入れた、

このことで「読んだ」つもりになっていますし、「ちゃんと聞いているよ!」は、音声情報は耳からちゃんと入っているよ、

聞き漏らしていないよ、このように思っています。

 

画像情報や音声情報から、意味情報として言葉を駆使してとらえることがポイントになります。

ここで必要になってくるのは、「内語」です。意味を理解したり試行したりする際に、自分の頭の中で使う言葉です。

この内語が発達してくると、意味のとらえ間違いが少なくなりますし、深く理解することが出来るようになります。

 

記憶においても、思考においても、まず感覚器からの信号をより鮮明に短期記憶する力を鍛え、

次に内語を用いて自分なりの意味情報に翻訳する力を鍛えることが大切です。

 

お子さんの暗記力が今一歩と思われているなら、その原因が視覚や聴覚の問題なのか、内語の問題なのか、

それとも両方の問題なのかを判断する必要があります。

そして、その対策は、お子さん一人一人の発達段階や目標に応じて考えていくことになります。

 

そして、この次に考えることが、前回お話をした覚えるテクニックになっていきます。

 

・7月3日の朝日新聞朝刊に私(西村)のコメントが掲載されました。

34面の「中学受験塾 入り乱れる」の最後の方に入っています。興味のある方は読んでみてくださいね。

朝日の記者さんといろいろとお話をさせていただいて、教育や学習について非常に真剣に考えていらっしゃることが分かりました。

 

 

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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