月: 2011年11月

ここに来て、成績が急降下!

入試直前のこの時期に、成績が急に下がってしまって
というご相談が、連年通り多く寄せられています。

 この時期の成績下降は、入試までの日がありませんから、急を要します。
しかも、お子さんも親御さんも焦っていますから、正しい対策をとることがむつかしのです。
なことは冷静さです。

 まず、成績下降の原因です。
がるべくして下がっているのか、理由無く下がっているのかです。

下がるべくして下がっている場合:
テストの成績と学力の変化には相関関係がありますが、どうしても半月から2ヶ月程度の
タイムラグが生じます。
不勉強が続いて学力が下がっているのに、すぐには成績は下がってきません。
下がったと自覚できる頃には、学力がもっともっと下がってしまっていることもあります。
逆に、勉強を一生懸命頑張っているのに、テストの点数にはなかなか反映しない原因
もここにあります。
 今、成績が下がっているのですから、その原因は1ヶ月前あたりにあると思われます。
運動会の練習で、勉強のペースを崩してしまうことは無かったでしょうか。
の選定について、親子げんかが増えたりしませんでしたでしょうか。
 このように、原因に心当たりがある場合は、その体策を至急とられることをお勧めします。
その日その日に学習すべき項目を一緒に考えてあげたり、
過去問の採点を手伝ってあげて、
「このミスが無ければ、あと○○点も上がって、合格者平均になったね。」
などと励ましてみたり、このような協力が効果的です。
 
 理由無く下がっている場合:
 これまで通りに勉強していて、急に成績が下がってしまった場合の理由は
二つ考えられます。

一つは、これまでの塾のテスト中心の学習が、入試過去問や合否判定中心の学習に
変わった事です。
これまでの塾のテストは、「この解き方やこの知識を知っていますか?」
問いがほとんどでした。
の長さは短めで、条件が複雑に絡んでいることが少なかったのです。
ところが、実際の入試問題や合否判定では、「この問題の解き方に気がつきますか?」
という趣旨で問題が作られています。
問題文が長くなり、そこにいろいろな条件が隠れていることになります。
この、問題の変化に対応し切れていないと思われる場合は、
問題文を丁寧に読むことの大切さを話してあげてください。
「最後の1~2問は時間内に終わらなくても良い。」
このような思い切った言い方が必要な場合もあります。
 また、過去問を解いている横について、問題文を読み終わる時間が短すぎないかを
見張ってあげる事で改善出来ることもあります。

二つめは、焦りが原因で落ち着いて考えたり、落ち着いて処理が出来なくなっている事です。
家では、入試まであと65日しか無いと言われ、塾では叱咤激励され続けているような
お子さんの場合、やる気の空回りがおきがちです。
これまで解けていたはずの問題で間違いが増えたお子さんのほとんどが、
焦りが原因です。

たくさんやったのに点数が下がる。
もっとたくさんやらなければと思ってもっとやった。
にもかかわらず、成績がもっと下がった。
その結果、何をして良いのかがわからずに混乱している。
この、悪循環を断ち切ってあげる必要があります。

1日の学習内容を少なめに調整してあげてください。
そして、「あなたには学力があること。」「今の勉強は、量より質が大切なこと。」
「いつもどっしりと構えて勉強に取り組むこと。」
このような事を、明るく話してあげてください。
計算の字が雑になったり、読み飛ばしが増えているはずです。
そのようなことを見つけた場合は、叱らずに、穏やかに、前向きに話して上げてください。
「こんな焦った字で計算していたのね。この字が前の字に戻れば計算ミスが減るわね。
理由がわかって良かったね。」このような言い方です。

このように、お子さんに直接働きかける必要もあります。
そして、お子さんに秘密にしながら、親御様がやっておかないといけないこともあります。
第2志望第3志望のピックアップです。いわゆる滑り止めですね。

第1志望校の話は、お子さんを交えて、夢を語らせてください。
第2志望や第3志望の話は、今(出願の数週間前まで)は、
お子さんにしない方が良いのです。
お子さんの気持ちが、「だめかも」「だめそうだから滑り止めの話をしているんだ」
「だめに違いないんだ」というように、沈んでしまいます。
 そして、万が一、入試直前までに成績が回復しない場合、
ベストではないがベターな選択肢を準備しておいてあげて欲しいのです。

受験6ヶ月前までは、学力を高める時期

学力には、いろいろな要素があります。
解き方を見つける力・正確に解答にたどり着くことが出来る力や
時間内に処理できる力などですね。
その学力を発揮するために必要な事柄は、3つだと考えています。

一つは、処理能力です。例えば計算力や文字を書く能力、線を引く能力です。
素早く正確に出来る事が必要な能力です。

二つめは、知識量です。
理科や社会の重要語句のようなものから、解き方の種類や考えの進め方という、
考え方や思考の過程そのものも多くは知識に含まれます。

もう一つは、これが一番大切なのですが、本質を知りたいという知的意欲です。

この3つがバランス良く上達することで学力は高まってきます。

「塾のテキストを何度も解かせているのですが、成績が下がるばかりです。」
このようなご相談が多いのですが、その場合は、上記の三つに分けて考えて見ると
解決策が見つかることが多いのです。

一つめの処理能力に問題があるお子さんも、意外に多くいらっしゃいます。
小学校では計算はちゃんと出来ているのですが。
ノートには読みやすい字が書けているんですが。
このようなお子さんの中にも、処理能力不足の方が多くいらっしゃるのです。
桁数の多い計算も、速くしかも正確に出来なければいけませんし、
小学校の勉強と違って、少し小さめの字を、素早く綺麗に書ける事が必要です。
また、線はフリーハンドで綺麗に引けなければ、受験勉強の効率がぐっと
下がってしまいます。

計算練習や漢字練習は毎日少しずつやることが良いのですが、
どのレベルのものをどの程度やらせるべきかが一番大切です。

二つめの知識はどうでしょう。
理科や社会の重要語句や固有名詞は、覚えてしまえば
そのまま使えることが多いのですが、
思考過程に関わる知識はそうはいきません。
ところが、算数の問題などで、「この数字とこの数字を引いてからこの数字で割る」という
覚え方をしてしまっているお子さんが意外に多いのです。
○○の意味を持つ数字と□□の意味を持つ数字を引き算すると、△△の意味になり、
それを●●で割ると、当然聞かれている答えが出るという理解と暗記が必要なのです。

この、「当然」が大切な事なのです。
子供が、これまでの学習や生活の中で、正しいと心底思っていることにつなげる事が
出来て始めて、「当然」と思えるわけです。
これが無い場合は、「何となくわかった」という表現になりがちです。
思考過程に関わる知識は、子供のなるほどそうかという納得の感情と共に
覚えていくことが大切なのです。
実は、この部分がうまくいっていなくて、成績が上がっていないお子さんが一番多いように
感じています。

三番目の「本質を知りたいという知的意欲」は、
知的好奇心という言葉に換えても良いでしょう。
理科の暗記をする場合でも、「なぜそうなるの」と強く興味を持ちながら覚えるのと、
仕方なく覚える事の違いです。
これは、勉強に向かわせる時の雰囲気作りが大切になります。

小6の一学期までは、「処理能力」「知識量」「知的好奇心」の三つに注意を払いながら
見ていく必要があります。
今、伸び悩んでいるお子さんの場合は、そのバランスが取れているかどうかを
是非お考えください。

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