月: 2011年5月

クラスアップの壁 もう1つの視点(2)

今回は、授業や宿題の問題レベルとテストの問題レベルのギャップを埋める方法をお話ししましょう。

サピックスからです。
(算数)
デイリーサポートのDランクが要注意です。アルファベットクラスの場合は、A・B・Cランクを中心の宿題ですが、時々出されるDランクの問題がマンスリーに出題されています。出来れば、Dランクの1番と3番を解いておかれることをお勧めします。

(国語)
テキストの長文と、マンスリーや組み分けテストの長文は、明らかに情報量が異なります。一度読んだ段階での理解度が大きく異なってくるはずです。一番良いのは、お知り合いの先輩から、過去のサピックスのテスト類をコピーさせてもらって、長文を読み込むことですが、なかなかそうはいきませんね。その場合は、これまで受けたテストの文章を読ませてください。そして、選択問題を記述問題に換えて答えを言わせてください。例えば、「太郎君のそのときの気持ちはどうだったのでしょう。アからエから選びなさい。」という問を、「太郎君のそのときの気持ちを書きましょう。」に換えるわけです。その模範解答は、選択肢の正解の文章そのものになりますから、親御様がチェックされる場合に便利です。

(理科)
 テキストの問題と、テストの問題の最大の違いは、文章量です。ですから、コアプラスをいくら完璧に覚え込んでも、問題文を読みグラフの意味を理解し表の数字をとらえて出題者の意図をくみ取らないと正解できないことになります。
 ☆☆の中で文字数の多い問題は、確実に解かせておくべきですし、たまには☆☆☆の中から、文章の長い問題を読ませておく必要があります。「読み飛ばさない」「直感で答えない」練習をお願いします。

 

日能研です。
Aクラスのお子さんは、まずGクラスを目標にしてください。
(算数)
    カリテにおいては、宿題となった問題の中で一番難しい問題2~3問がポイントです。授業担当者が、事前に問題を知っていたと思えるほどに的中しています。
    センター試験においては、一週先二週先の単元から、不思議に出題されています。特に小6の場合は必ずといって良いくらいです。ただ、どの問題がとなると、日能研の出題傾向を熟知している私たちでも、半分ぐらいしか当たりません。遊び感覚でちょっと予習してみるぐらいでお願いします。

(国語)
 サピックスの場合と同じです。やはりテキストに比べてテストの素材文は格段に難しく、しかも長くなっています。

(理科)
 栄冠テキストの問題数が少ないものですから、なかなか対策が出来ないという相談が多く来ています。しかも、栄冠テキストの問題は、複数の条件を考えさせるものが少なく、一つ一つの条件を理解しているかどうかを確かめるタイプになっていますから、読み取りが雑なお子さんにとっては厳しいと言えます。その際に利用できるのが、四谷大塚の週例テストの過去問題集です。BまたはCコースの問題の中で、文字数が多いものを選んでやらせてみてください。該当単元の問題を全てやらせるというようなやり方ではなく、1~2問だけを、隅から隅まで問題文を読ませる練習としてやらせてください。

 

(四谷大塚・早稲アカ)
 週例テストは、細かくコースに分かれていますから、授業の復習と塾から出された宿題で充分です。でも、月例テストは1種類しかありませんから、その対策が必要です。
週例テストの過去問題集が有効です。この冊子には、週例テストと月例テストの昨年の問題が収録されています。月例テスト対策として、昨年の月例テストをやらせてみても、なかなか同じような問題は出題されません。月例テストの範囲となっている昨年の数例テストをやるのが効果的です。AコースからBコースに上げようという場合にはBコースの前半を、BコースからCコースに上げようという場合には、Cコースの真ん中あたり(難問は省く)をやらせてみてください。

クラスアップの壁 もう1つの視点

日能研・サピックスでも、早稲アカ・四谷でもクラスを上げていくのは大変です。

それは、学力を上げその結果として点数を上げないといけないという当たり前のことに理由があります。

学力を上げても点数が上がるとは限らないことが大切な視点なのです。

塾の学習で身につく学力とは、塾で習ったレベルの問題を解けるようになること、習ったレベルの解答精度が上がることです。
この、塾で習うレベルはクラス事に大きく違います。お子さんの宿題を一度ご覧ください。○ページの□番、△番・・・などと書かれていますね。サピックスのαクラス以外のお子さんの宿題には、デイリーサポートのE問題の宿題はほとんどありません。日能研のMクラスのお子さん以外の宿題には、本科テキストの練習問題の最後2問の宿題はほとんど出されていません。

一方、テストはどうでしょうか。
サピックスのクラスを決めるマンスリーテストは、1種類です。日能研のセンター模試も1種類です。また、クラス分けに影響があるカリテの共通問題も、1種類です。四谷大塚や早稲アカの週例テストは細かく分かれていますが、クラスを決める月例テストは1本です。
上のクラスのお子さんも、下のクラスのお子さんも同じ問題で競争することになります。そしてその問題の後半には、サピックスならばD・Eランクの問題が入り、日能研ならば、練習問題の後半の難問はもちろんのこと、テキストには入っていないような込み入った問題も出題されています。
 上位クラスのお子さんは、授業で習った問題と大差ない問題を解く事になりますし、下位クラスのお子さんは、授業で習ったことも無い難しい問題にいきなり挑戦することになります。同じ問題で競うことは、一見フェアーに見えますが、普段の学習レベルを考慮するとアンフェアーです。

クラスアップを図るには、基本的な(正答率50%以上)問題での失点を最小にすると共に、後半の難しい問題でも少しは点数を取る必要があります。日能研でAクラスからMクラスへ上がろうとする場合や、サピックスでアルファベットクラスからαクラスに上がろうとする場合は特にそうです。

勉強をしているお子さんが、「テストは塾で習った事が出る」と思っていたら、それは間違いです。「テストは、塾で習った事を利用して解く」ものだと思って欲しいのです。
「この勉強をやっつけたら遊べる!」「明日までの宿題だから何とかこなさないと!」と思って学習している場合は、せいぜい今目の前で解いている問題とそっくりな問題しか正解が出せません。
でも、そのようなことをお子さんに話をしても、わかってもらえることではありませんね。

次回は、各教科事にクラスアップに必要なプラスアルファの学習内容を、具体的にお知らせしたいと思います。

「わかる」を「納得」の状態に高める

昨日、あるところから依頼されてセミナーをしました。皆さん本当に熱心で、会終了後もほとんどの方が残られて、お子さんの学習について個人的な御相談を承りました。

「やはり、頑張っているのに成績が上がらない」悩みを抱えていらっしゃいました。
復習の意味を込めて、ポイントをまとめてみたいと思います。

・「わかる」を「納得」の状態に高めるには、子供が快適な気分でいることが必要。

わかる・・・筋道を最後までたどることが出来る状態。
納得・・・・筋道を最後までたどる過程で、「な~るほど!」「へ~そうだったのか」と感情が動く状態。

・子供を快適な気分にするには。
1 学習内容を上手に取捨選択することで、過剰な負担感から解放してあげる。
 (「ちょっと頑張れば、何とかなりそう」という成功の予感を感じることが出来る量を目指す)
2 子供が学習しているときや、普段の生活での声かけが大切。
    「○○がだめだから、□□しなさい。」というような、否定から始まる言い方をしない。「あなただったら、□□すると△△のような良いことを起こせそうね」というように、「ちょっと頑張れば良いことがありそう。」と、近い将来に良いことがおきそうな予感を感じさせるような言い方がポイント。

・学習内容の上手な取捨選択の仕方
1 お子さんが授業中に○△×を小問毎に付ける。

○ = 簡単に解けて正解した問題
△ = 授業を聞いてやっと分かった
× = 授業を聞いても分からなかった

2 親御様の方でも、可能なら、ABCのランクわけをする。
A = 今出来て当然の問題
B = いずれできなければいけない問題
C = できなくて良い問題

お子さんが△を付けてきた問題を中心に復習する。(宿題内容の中で△に該当するものを真っ先にやる)
×の問題はやらない。

3 塾でやったテストの復習は大切。間違い直しは、正答率を目安に行う。
 御三家志望者でも、正答率20%以下の問題を復習する必要はあまりない。(塾によって若干の差がある)

4 算数の勉強に親御さんが付きそう時の、効果的な声かけ。
 「何がわかっているの?」
 「何が聞かれているの?」
  「その数字の単位は?」
 *子供が、自分の頭の中の言葉で再確認したり思考の過程を振り返ることが出来る声かけ。

セミナーに参加していただけなかった方にも参考にしていただけたら幸いです。

今すぐ出来る、理科計算単元の点数アップ

小6はそろそろどの塾でも計算単元の最終チェックに入っていきます。
暗記は何とかなっても、計算単元はどうしても苦手というお子さんが多いのです。そのようなお子さんに共通なことは、思考のプロセスをわかりやすい方法で書き残す事をしていないことです。
 力学単元と化学計算単元について、どのように書いていけば良いのかをお知らせしたいと思います。

□力学単元□
 「図の中に分かっている数字を全て書き込む」。たったこれだけの事です。
滑車の問題ならば、ロープ全てにかかっている重さを読みやすい字で書き込んでいきます。滑車に重さがあるのでしたら、その重さを滑車の図の中に書き込んでいくのです。
 てこならば、おもりの重さや長さは当然のことですし、棒に重さがある場合は、その重心の場所に棒の重さ分のおもりをぶら下げた図にします。
 力学単元が苦手な子供は、面倒くさがり屋さんが多いのは、この図の中に数字を書かずに、メモ書きのような計算だけで答えを出そうとするからです。

□化学計算□
 化学計算は、比例(順比と逆比)ばかりです。それを計算するときに、「内項の積=外項の積」を使っていると、意外に難問が解けなくなってしまいます。

例えば、塩酸と石灰石から二酸化炭素の発生量を計算する問題があったとします。

うすい塩酸50ml に4gの石灰石が反応して、200mlの二酸化炭素が発生します。
塩酸80mlに8gの石灰石を入れると、何mlの二酸化炭素が発生しますか。

この問題に対して、石灰石が余るから、塩酸の量で考えれば良いと分かった段階から、
50:80=200:xとして、xを320と出すお子さんが多いのですが。

塩酸  石灰石 二酸化炭素 
50        4           200
80        8          (    )
 上記のような、縦と横に見る事が出来る表のような書き方をして欲しいのです。

これであれば、塩酸を縦に見て、1.6倍と分かりますから、200の1.6倍で320。
また、塩酸から二酸化炭素と横に見て、50から200になっていますから4倍です。80の4倍で320と出す事も出来ます。

 気体の発生・中和・溶解度など、全てこの縦と横の表が使えます。その際必ず上の項目(塩酸・石灰石・二酸化炭素)は、略語でも良いですから、書くように指導してあげてください。
 たった、これだけの習慣がつくだけで、この単元の得点はぽ~んと上がります。
お試しください。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

COPYRIGHT@西村則康公式サイト