今回は、学校や塾の先生向けのお話です。

 

私も、長年集団塾で教えてきましたし、先生方の研修にも関わってきました。そういう中で経験したことの中から、近年の脳科学の成果に照らし合わせて、なるほどそういうことだったのか!と 感じたことを書いてみたいと思います。

 

 

 □人気のある先生は、オーバーアクション□

30人?50人もの生徒をぐっと引きつけて、60分の授業で学習効果を上げることが出来る講師というのは、例外なくオーバーアクションです。

 

身振り手振りも大きく、時には教室の中を歩き回ったり、走り回ったり。また、表情の変化も大きいのです。

 

逆に、鉄面皮・無表情の先生は人気がありません。話し方も一本調子、授業を聞いていると眠くなってしまう。こんな先生が多いのですが。

 

ここ数年、ミラーニューロンについての書物を何冊か読む機会がありました。

 

この研究成果はまだ学説という仮説の段階なのか、事実として受け止めて良い段階なのかは、専門家でない私には何とも言えないのですが、経験上なるほどと思えることが多いのです。

 

「速さ」の説明を授業でするときに、全力疾走のジェスチャーをして、息が切れてゼイゼイと荒い息をしている様子を演技しながら授業をする先生と、いきなり速さの3公式を教える先生の、生徒に与えるインパクトは大きく異なります。

 

 

教壇の前で、走る演技をしている先生を見ている子供たちの頭の中には、疾走しているときの景色の流れや、自分自身の荒い息づかいまで思い浮かんでいるかもしれません。

 

「速さとかかる時間は反比例する」ということを理解させる道筋として、「息が切れるほど速く走れば、早く着ける」という子供たちの経験を喚起することで、いきなり納得させてしまうことが出来ることになります。

 

理科で、条件反射の説明をするときに、熱湯の入っているヤカンに手を触れてしまって、思わず手を離す場面の演技がうまくいくと、不思議に子供たちの理解がスムーズに進むことを何度も経験しています。

 

ミラーニューロンは、例えば、「梅干しを食べて、酸っぱさに思わす口をすぼめた相手の様子を見て、見ている人も酸っぱいような気持ちになる」という働きに関わっています。このような共感性をほとんどの人が共通に持っていることが証明されつつあるようなのです。

 

 オーバーアクションで、生徒の人気を得ている先生は、「パフォーマンスで生徒の人気とりをして」というような、やっかみの視線を投げかけられることが多いようなのですが、自信を持ってそのスタイルを続けてください。

 

 「理解を納得に落としこむ」ことが教える者の大切な力量です。オーバーアクションのパフォーマンス型の授業は、子供を教える際の非常に有効なスタイルだと思います。

 

 

次回は、子供を励ましたりねぎらったりする場合の、抑揚や表情の変化について書いていく予定です。