中高生の、一学期の期末テストを前にして、期末テスト対策の授業の申し込みやご相談が増えています。特に、中3生からです。

 中3と言っても、学習内容は高校1年生です。数学では数?と数A。本格的な高校数学が始まっています。数学のご相談が特に多いのは、2次関数の最大や最小がテスト範囲にないっている学校です。

 お子さん本人に聞いてみると、2次関数の頂点の移動は丸暗記で何とかなったが、最大や最小になると、場合分けで何ともならないというのです。やはりという思いです。

 数学の専門家のT先生とよく話すのですが、数学は、「公式を素早く自分で導き出せること」が最大のテーマ。「1つ1つの公式を丸暗記するなんて愚の骨頂!」という点で全く同感です。2次関数の頂点の座標の丸暗記も同じです。

 これまでの学習方法を、今こそがらりと変えなければなりません。大学受験に向けては、「理系大学に行けるかどうか」また「センター試験に数学がある大学に行けるかどうか」の分水嶺です。

ご相談をお聞きする中で、不思議に必ずといって良いほど聞かれるのが、「どこの塾や予備校に行かせれば良いのか」です。ところが、通っている中学や高校にぴったりとあった塾や予備校は存在しないのです。

 

 ここで、冷静に振り返っていただきたいのは、なぜその私立の6年一貫校を選んだのかという理由です。「大学受験に向けて、有利な学習カリキュラムだか
ら」という理由もありましたね。大学受験は、高校内の成績が合否に直結します。進学校ならばなおさらです。まず、「大学受験に有利な学習カリキュラム」に
基づく、学校の定期テストの成績を上げることを考えて欲しいのです。塾に行っても、予備校に行っても学校の成績は上がりません。

 中学校事に、学習カリキュラムが異なります。そして、授業スタイルはそれこそ千差万別です。数学的に深く掘り下げる学校がある一方、公式を覚えさせて、
宿題として大量演習を課す学校もあります。学校の指導のメリットを生かし、ディメリットを補完するプランニングが必要です。

 

 それには、信頼できる第3者、つまり、スキルが高い個別指導や家庭教師の出番ということになります。ところが、「自分が難しい問題を鮮やかに解くことが
出来る」事と「生徒の成績を上げることが出来ること」とは、スキルの質が異なります。「お子さんのこれまでの学習法の弱点を瞬時に見抜く目を持った講師」
が必要です。身の回りにそのような先生の心当たりが無い場合は、次の方法を試してください。

 教科書や参考書の解説を隅から隅まで解読する。

高校の教科書は、大学受験問題のレベルと大きくかけ離れているわけではありません。これが、中学受験や高校受験と異なる点です。そして、公式の導き出し方
が丁寧に書かれています。これを、じっくりと読んで、「おっ!なるほどそうだったのか!」と驚いて欲しいのです。参考書の例題の解説や、問題の解答解説も
大いに利用してください。答えが合っていた、間違っていただけの利用では効果が半減します。

 

 たとえば、そろそろ2項定理に入るところもあると思うのですが、2項定理を利用すると、2のn乗がコンビネーションの和で表すことが出来ます。この部分
を教科書で読んで、「へ?、すげ?」と、ちょっと感動してくれればしめたものです。その後、読んで感動したときの記憶を頼りに、自分で公式を導き出す練習
をすれば、その公式を利用した発展問題もあまり苦労せずに解けるようになります。 

 

 お子様に、ちょっと試してみるように、親御様からおっしゃっていただきたいと願っています。